身代わり伯爵の求婚 (角川ビーンズ文庫)

【身代わり伯爵の求婚】 清家未森/ねぎしきょうこ ビーンズ文庫

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ちょ、ちょ、ちょっ!! うぉい、リヒャっち。リヒャルト君! あんたぁ、そりゃあちょっと違うだろう。あんたのそれ、ミレーユを守る覚悟を決めた、っつーよりもミレーユの可愛さに辛抱たまらんくなりました! という投げっぱなしじゃないのか!?
我慢しきれなくなるくらいなら、最初から遠ざけようとすなーー!!(笑
そりゃあさ、もう逢わないつもりで置いてきたら、こっちの国まで追いかけてくるわ、追い返そうとしたら勝手に手助けしようと奔走しはじめるわ。なんでそんなことするんですか、と問い詰めたら、意訳するところの「リヒャルト苛めるやつは私が許さねえもん!」ときた。
逢うたんびに、無自覚に無防備なセリフぽんぽん投げ付けられたら、そりゃあクラクラ、と来るのもわかる。男だもん。食べちゃいたくもんるわさな。
だいたいミレーユって、ほんとーに自覚ないんだけど、自覚ないくせに「どうかわたしをたべちゃってください」と言ってるとしか思えないこと口走るもんだから、相手の男からすりゃあ、頭おかしくなるのも仕方ないのよ。これで当人に自覚があって言ってるのなら、多少はこっちも理性というか正気を以って対応できるんだろうけど。ミレーユのあれは、凶悪だからなあ。しかも逃げても逃げても追ってくるし。あの行動力だけは、半端じゃねえ。
うん、じゃあ仕方ないよね。
……なんか、最終的にリヒャルト君を擁護する側に回ってしまいました。


まあでもね、兄ちゃん伯爵はやっぱり妹のこと、甘やかしすぎなんだと思うのよ。そりゃあ宮廷暮らしはミレーユには辛いだろうし、シアラン王国では周りは味方と言えない相手ばかりで苦労はするでしょう。
でも、そこは敢えて送り出してやらないと。むしろ、帰ってくるな、というぐらいの勢いで。
結局のところ、フレッドの方が妹離れ出来てないんでしょうけど。
フレッドの気持ちも分かるんですけどね。実際に、兄妹の両親は大貴族とパン屋という形で別れ別れで暮らしてきたという過去があるわけですしねえ。王宮はある意味魔窟。自国ならともかく、可愛い妹を、自分の手の出せない他国の王宮に送り出すのは、やっぱり不安になるんもしゃあないっちゃしゃあないわけで。
でも、政略結婚じゃなくて、惚れた相手といっしょなんだから、送りだせよ、ほんとに。

とはいえ、なーんか上手い逃げ道らしきものも見えてきたわけで。現シアラン公が本当にそうなら、リヒャルトも戻ってこれる道が見えてくるんだよなあ。……それはそれで、ミレーユに対して甘いとおもんだけど(苦笑