ガンパレード・マーチ 九州奪還〈0〉萩 幽霊戦線 (電撃文庫)

【ガンパレード・マーチ 九州奪還 0.萩幽霊戦線】 榊涼介/きむらじゅんこ 電撃ゲーム文庫

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善行の海兵団司令部の独断専行に対する断固とした対応に、随分と驚かされたわけだけれど……よく考えてみると、善行の対応に驚く方がおかしいんですよね。そもそも、部隊の私物化という行為は言い訳の余地なく犯罪なわけですよ。それが平然と罷り通るというのは、異常極まりない状態なわけで。やっぱり、旧軍の在り様というのは軍隊として完全に発狂していたんだなあ。
と、過去に対する強烈な一刺しと同時に、今回の海兵団の訓練は行き届き装備も万全でありながら、実戦知らずの素人集団。なにより、自分たちの存在意義に確固とした自信を持てないことによる空転振りは、むしろ過去よりも現在のアレに対する何らかの暗喩と考えるべきなのか。

時系列的には、山口防衛戦と九州上陸作戦の合間であり、まさに九州奪還の0巻といっていいところ。特に番外編というのではなく、普通にこの間の期間の話、と言った感じなんですよね。
雑誌連載の形式を取っていたから仕方無いんだろうけど、これは九州奪還のシリーズを始める前に出しておいた方が良かった話ですねえ。
この期間に初登場している人物とカ、決着がついてしまった人間関係なんかもあるわけですし。特に、東三条くんや青木さん、山川くんがいかにして善行軍団に加わる事になったのか、とか。瀬戸口と幻獣派の彼との決着。カミーラとの因縁や、オリキャラの部分では落合と佐藤ちゃんの関係なんか、短いながらもこれ重要だったと思うのですよ。後々の事件で佐藤ちゃんがあれほどひどい有様になってしまう大きな要因をここに見ることが出来るわけですし。カーミラがどうしてあれほど嫌われるのか、というのも山口での大規模テロだけではなく、今回の対決を見たらよくわかるわけで。何人かがカーミラにすんごい拒絶反応見せてたのも、こういう戦い方をされてたら分かりますもんねえ。逆から見ると、カーミラが5121小隊を見込むきっかけにもなってるわけで。さり気なく重要な因子が多く含まれているターンなわけです。
九州奪還が完結した後に読むからこその感慨や理解もあるんでしょうけど。でもやっぱりこれは時系列通りに読みたかったなあ。