セイクリッドブレイズ 堕ちゆく金狼と (ファミ通文庫)

【セイクリッドブレイズ 堕ちゆく金狼と】 枯野瑛/飯塚武史 ファミ通文庫

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やっべえなあもう!
相変わらずと言うべきか。この作者のヒロインのキャラクターの造形能力は抜群としか言いようがない。キャラの立ち方が半端ないんですよね。単純な記号的特徴では括れないこの魅力の付与たるや、いったい何なのか。
【銀月のソルトレージュ】のアリス、ジネット、ライア然り。
未だに自分の中では伝説となってる告白シーンをぶちかましてくれた【echo −夜、踊る羊たち−】の桐子さん然り。

そしてこの【セイクリッドブレイズ】のシルフィオーネときましたよ。
なんですか、この反則級ヒロインは。このこの人を食ったようなイイ性格のお姉ちゃん姫様は!
いやもうね、わかってるんです。枯野さんが描くヒロインってのは、もう概ね最強キャラなんですよ。能力的にはともかく、一旦一己の人間同士として対峙してしまったら、どれほど歴戦の勇士でも、ひねくれ者の気むずかし屋でも、こまっしゃくれたお子様でも、甘えたのちびっこでも、年を経た翁でも、敵いやしないんですよ。ヒロインにかかりゃあ、その心を覆い隠している仮面やマントなんか、すぐさま簡単にバリバリバリっと包装紙破り捨てるみたいに引っぺがされて(容赦がないのである)、そのちっちぇー剥き出しの魂を表に引っ張り出されて、ギューっと抱きしめられちまう。
そりゃあ太刀打ちできねえですよ。読んでるこっちも一発KO。いっぺんにメロメロです。

本作の原典は、PS2のシュミレーションRPGで、これはそのノベライズ、というわけではなく、ゲームの時代から遡ること百余年。光墜ち、世界が闇に呑まれた時代の物語。
先代の勇者とその仲間である神の使徒たちの物語であり、ついに闇に打ち勝てなかった人々の物語。

うーん、出来ればこれは複数巻でじっくり読みたかったなあ。さすがに一冊だと少々駆け足なところも出てくるし。単純に姫様の大暴れをもっと見ていたかっただけのことかもしれないけどw
ただ、ラストの展開はちょっと意外だったけど救われたかも。良かったり良かったり。