ダンタリアンの書架3 (角川スニーカー文庫)

【ダンタリアンの書架 3】 三雲岳斗/Gユウスケ

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第4話「魔術師の夜」の凄まじすぎるオチに七転八倒w
いやあ、幻書という異端の力を秘めた書物によって引き出される人の欲望の醜さを散々見せつけられる話が多い中で、この話に出てくる人々の誇り高く雄々しい魂の輝き、愛に準じる紳士の中の紳士とも呼べる姿。同じ女性を愛した者同士、本来なら敵にも関わらず協力し合い、愛を奪い去ろうとするに難き大敵に、力及ばずとも立ち向かおうというその姿に、柄にもなくやべえ、こいつらかっこいいぜ、と目尻に浮かぶ涙なんぞチッシュで拭いながら読んでた、その結末たるや……なんてこったいww

同じ愛にまつわる物語にも関わらず、第1話「換魂の書」とのあまりにもあんまりな様相が違うんだよなあ。1話の結末のやるせなさ。異常にして執拗な愛の形と、お互いを慈しみ、お互いを守ろうとして叶わず、ひとつに混じり合い消えていったその形の切なさに対して、あれはなあ(苦笑
まあ、愛情にも色々と形があるということなんでしょう。まったく、身も蓋もないけれど。

面白いのは、今回それぞれ元ネタがあるってところですよね。第1話はミザリー。第4話は竹取物語ですか。
なんかアレな話ですけど、第4話って今後の展開的にもけっこう重要な回のような気もします。幻書という魔法の本があるんだから、ああいう存在もいておかしくない、というのは想像して然るべきだったのかもしれませんけど、この話で出てくるのはなんだかなあ(苦笑
まあ、当人の品や格が落ちるようなものではなかったのでいいのですけど。でも、あれを作った当人ということで、思うところは出て来てしまうのですがw 所詮アレを作ったヤツだしなあ、というようなw
きっちり因縁も出来てしまったわけですし、またぞろ重要な転換点で顔をのぞかせてきそう。

意外と早々に、というべきなのか3巻にしてようやくというべきなのか。焚書官とダリアン&ヒューイが顔を合わせることに。
でも、ちょっと予想外だったかも。いや、ヒューイという男を見縊っていたというべきか。もっとこう、緊迫感ある対決になるかと思ってたんだけど、ハルの方はその気満々にも関わらず、ヒューイの方が全然相手にしていないのは意外だった。なんか、ハルの方も思いこみ激しいわ、短気で考えが浅いわ、単純で頭悪いわ、と……だめだこいつw
ほんと意外なんだけど、ヒューイの方がこれ、役者が数段上だわ。可哀想だけど、ハルくんぐらいじゃまともに相手してもらえないよ。良いように手玉にとられるのがオチだわ。ヒューイがこれほど喰わせ者だとは思わなかったなあ。いや、考えてみれば数々の幻書の持ち主の異常な行状に対して、いつも冷静さを失わず、なんだかんだと飄々と対処し片付けてきた実績を思い返すなら、この男の底知れなさというのはもっと早くに認めておくべきだったかもしれない。ダリアンの我儘に付き合わされてる姿をいつも見せられていたので、なかなか正当な評価というのを見つけられなかったのかもしれないけど。

うーん、そう考えるとこの3巻では出てこなかったあの幼馴染は、やっぱり大した大物なのかも。このヒューイを散々いいように振り回すんだから。それこそ、ある意味ダリアンよりも自由闊達に。
ということで、次回は出してくださいよカミラ姉さん。と希望しておこう。