異国迷路のクロワーゼ(2) (角川コミックス ドラゴンJr. 111-3)

【異国迷路のクロワーゼ 2】 武田日向(角川コミックス ドラゴンJr)

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相変わらず凄すぎる。何度読み返しても、その絵の世界は圧巻とも言える美麗さを以って、読み手である此方を飲み込んでいく。その圧倒的な存在感、引き込まれるような奥深さは、さながらタイトルにあるように見た事のない迷路に迷い込んだようだ。
この作者が凄いのは、これだけ緻密で美しい絵を描きながら、見事に漫画としても面白いところなんですよね。何を当たり前ナ事をと言われそうですが、これほどのレベルの美麗な絵を描く人って、美しいイラストを描くことは出来ても、それが案外漫画としては成り立ってない、表現できてないケースをこれまで頻繁に目の当たりにしてきたわけで、その中でこの人は、これほどの絵を見事に漫画のコマとして縦横無尽に活用しているんだから、そりゃあ凄いモノになるわけだ。
描かれる世界は、1800年代最後半のフランスはパリ。世界万博に日本からの初参加があり、おりしもジャポネーゼが流行する異国の地。
そんな遠い時代の遠い国に連れられてきた日本人の少女、湯音とクロードの物語。
第一巻は二人の手探りの異文化交流に主眼が置かれていたように見えたけれど、ここからぐっと湯音とクロード、二人の過去と現在の内面にスポットがあてられ、お互いの触れ合いによって生じるそれぞれの関係の発展や成長に重きがなされるようになってきた感じ。
本来あんなちっちゃくて繊細な湯音みたいな少女は、クロードみたいな微妙なお年頃の多感な少年ではなく、おじいさんみたいな人に包まれながらこの遠い異国の地に馴染んでいく方がいいのかもしれないけど、でも近しくも少し離れた幼さを残しながら大人にならなきゃいけない年頃であるこの二人が、戸惑いながらも触れあっていく事で近づいていく方が、先々の事を考えたらいいのかもしれないのですねえ。
過去にとらわれ、頑なな生き方に終始していたクロードが、徐々にでも外に目を向け、自分の世界を広げていこうとしているのは、外から来た少女である湯音の、不思議で愛らしい存在感に多大な影響を受けているのは間違いないのですから。

それにしても、ユネはちっちゃいなあ。この武田日向さんってあの桜庭一樹氏の【GOSICK】シリーズのイラスト担当している方なんですが、あのヴィクトリカの可愛らしさも圧倒的だったけど、それに負けないこのユネのとびっきりちっちゃい可愛らしさのどうしようもなさといったら、これ如何に!?