シャギードッグIII 人形の鎮魂歌~in the dark~ (GA文庫)

【シャギードッグ 3.人形の鎮魂歌 〜in the dark〜】 七尾あきら/宮城 GA文庫

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まさか続きが出るとは思わなかった、というか諦めていたシャギードッグの続刊が出るとは。まさか出るとは!!
出ると分かってるなら、いくらでも待てるってもんですよ。ええ、それこそ途中で終わろうが、何も解決していなかろうが、出るなら何年でも待てるのさ。
とはいえ、相当中身を忘れてしまってて、読んでてコイツは誰だっけ? という状態になってしまっていたのは結構ショックだった。
いやいや、そういえば前回で随分と物凄い終わり方をしたんだった。主人公、回避不可能のTHEEND完全執行までカウントダウン、みたいな。おいおい、相当偉い場面で切れてたんだなあ、と今更のように愕然としたり。この状態で二年も待たされてたのか。

まあギッタンギッタンで傷心の大介は良しとして、オズの方は順調に安定してきたなあ。以前の危うさはどこへやら。未成熟極まりないドえらい状態だったメンタル面も、良い方向に転がってるみたいだし。ただ、良化の傾向だけが進んでいるのかと言うと、そうも言いきれないのが亜夜先生との会話からも透けて見えるわけで。安定してまともになっているようで、どっかヤバげに亜夜ちゃんが感じているのは、思いすごしなのか女の直感なのか。
いずれにしても、このオズの男女どちらにも変化可能という凶悪な能力のお陰さまで、大介、まりん、オズの奇妙な三角関係はさらに混沌としてきてる。オズはまりんのこと、目茶目茶気に入ってて、面白いものを愛でるという以上に大切にしているみたいだし、まりんはまりんでオズの幼くも危うく、天真爛漫でスマートなその在り様にときめいちゃったりしているんですよね。まあ、あれにドキドキしてしまうのは女の子としちゃ無理ないよ。ただ、振り回されてるだけじゃなく、しっかり首根っこ押えるような強かさと、オズの危うさを理解して何とかしてやろうという気概がこの子にはあるんですよね。おかげで、あんまり大介とオズの二人の間でフラフラしているという印象は少ない。というか、二人まとめて面倒見てくれそうなバイタリティと甲斐甲斐しさに溢れてるんですよね。頼もしいったらありゃしない。その彼女も、今のズタボロの大介には大苦戦してますけど。幼馴染の近しさがあるからこそ、踏み込み方が分からない領域と言うのはやっぱりあるわけで。近いからこそ、拒絶されると弱いんだよなあ。
というわけで、大介とまりんがへこみまくっているお陰で、なぜかオズの彼らへの揺るがない信頼が頼もしいという、ちょっと前からすると唖然とするような状況になってるなあ。あの、オズが、だぜ?
まあまりんの方は、沙織との絡みもあって、とっとと復活してましたけど。大介の方も何だかんだと逃げ回るのをやめて、自分の生き方と言うのを再確認して復活したし……なんだかなー、この三人全然お互いに依存してないのな。オズの放っておいても大丈夫、という泰然自若とした態度が図らずも証明されてしまったわけだ。とはいえ、三人がお互いに強い影響を及ぼし合ってるというのは興味深い所。ベタベタするばかりが深い関係というわけでもないのよね。

そんな三人を外から見て心配してやきもきしながらお節介焼いたり、大介がぶちのめされたのに怒り狂って、敵陣に突っ込んだりしてしまう亜夜先生は、この人実は登場人物中一番イイ人なんじゃないのか? 出てきたときは、確かやべえくらいに怖い人、という立ち位置だったような気もするんだけどw オズに大介やまりんと同じ面白い人認定されて、内心喜んじゃってるところとか、可愛すぎるんですけど。
えてしてこういう人が、なぜか貧乏くじ引いちゃうんだよなあ。実際、なんか微妙な立場に立たされつつある描写がされてるし。あそこで、しっかりと助言してくれる上司がいるのは恵まれてるのかもしれないけど。というか、亜夜の務めてる部署って、もっとアナーキーで非人間的な所かと思ってたんだけど(何と言っても職員みんな殺し屋なんだし)、意外なほど真っ当な所だったのに驚き。

さて、次は何年後かしら〜。さすがにここまで途中でばっさり切ってる状態なら、それほど待たされないと信じたいところだけど。