ギブあっぷ! (HJ文庫)

【ギブあっぷ!】 上栖綴人/会田孝信 HJ文庫

Amazon


……実は主人公は本当に男の子じゃなくて、本命は久瀬愁一だったら面白い、というかそれだったらイイのになあ!! とか冒頭、本気で思ってしまいました。すみません。いや、いっそBLでも構わないじゃないか! とか思いました。すみません。
だ、だってさあ。主人公・結槻未祐、本気で性格が男まさりで言葉遣いも男っぽいだけの女の子にしか見えないし、親友であるところの愁一はイケメンだし性格もいいし、如才ないし、そのくせ幼なじみで未祐の特殊体質を知ってて常にフォローし気遣ってくれるという、パーフェクトな野郎なんですよ?
なんかもう、オマエラ二人でくっついちゃえよ! みたいな?

おちつけおちつけ。

外見上女の子にしか見えない未祐は、他人の限界ギリギリの哀しみ・苦しみを察知してしまう特殊体質。普通、そういう体質を持っていたからと言って、他人に対してそうそう優しく出来るもんじゃないんですけどね。むしろ、人のギリギリ潰れそうな苦しみを察知してしまうというのは非常に重たい事で、大概逃げ出してしまいそうなものだけど、この彼は負けん気が強いというのか真っ直ぐなのか。女の子にしか見られない外見というのは、当人をコンプレックスでゆがませそうなもんなんだけど、この子はまあコンプレックスはアリアリと在るわけだけど、それにへこたれることなく、自分だけに感けず、他人からサインが聞こえれば、積極的に関わろうとする気合いの入った、そう気合いが入ったというのがよく似合う根性の持ち主。女の子の外見をしているからと言って、ナヨナヨとしているのとは大違いないんですよね。大変魅力的と言ってよろしい。
もう、これが本当に女の子なら文句無しというくらいにw
くそ、なんでこいつ、主人公であってヒロインじゃないんだ。

そんな彼が、たまたま保健室で着替えをガン見してしまったことがきっかけで、斗神璃亞の保健部の活動を無理やり手伝わされる羽目に。口絵のこのシーンは相当エロいんですけど。表紙買いした人は、中身の挿絵も期待してよろしいんじゃないかと。エロいよ。
まあ、最初は無理やりだったわけですけど、斗神璃亞の心意気を目の当たりにして、この主人公が黙って背を向けることが出来るはずもなく。けっこう短気だよね、未祐って。ただこの気の短さはなかなか爽快。本音を押し殺してウジウジしている輩に比べて、頭に血を昇らせても、為すべきと思った事を成し、言うべきことを言えるのは素晴らしい事。うん、考えると総じてこの作品の登場人物は気合い入ってるよなあ。
まあ、オラオラ状態入った未祐のサドっぷりには笑ったけど。まさかこうも攻め受けがコロっと逆転するとは。スカートはまじ、エロかったです。悔しい! でも逆らえない! みたいな?(笑

ラブコメ展開もかなり波乱万丈で。ラストの璃亞の行動には本気で驚きました。この人も根性は悪いにしても性格がネジくれてるわけじゃないんですよね。ある意味、とてもまっすぐだし。それがそのまま表れてしまったんだろうけど、こうも積極的な無意識が発露するとは。理性的になったあとの決意もまた、この人らしくて難儀ではあるんだけれど、それはそれで気持ちの良いまっすぐさで、好感が持てるんですよね。出来れば、そのまっすぐが自分の本心を素直に出せるものになってほしいところですけど。

とにかく、登場人物の気合いの入りっぷりと、その心からの叫びがウォンと響く、これは良い作品でした。微エッチだったしw