ひとひら 7 (アクションコミックス)

【ひとひら 7】 桐原いづみ(アクションコミックス)

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内気で弱気で対人恐怖症の嫌いすらある麻井麦という少女が演劇を通して出会った仲間たちとの物語もひとひらもついに完結。
え? もう終わり? と思うくらいに早かったなあ。個人的には演劇研究会の時と同じくらい、今の演劇部の面々のエピソードは面白かっただけに、もう少し長く色々なエピソードをやってくれても嬉しかったのだけれど、麻井麦という少女の成長を描く作品としては、これで一番すっきりしているんだろうね。
甲斐への恋心を自覚してしまったちとせ。演劇でのオーディションでも麦に負け、その演劇への情熱に陰りを帯びてしまった彼女の行く先は! という肝心のところで終ってしまった前巻だったけど、なるほどこれは最終巻に持ってきて然るべきエピソードだったなあ。
あそこでの麦とちとせの対峙。このエピソードはちとせが主人公みたいだな、と思わせるようなものだったけど、なるほどちとせに本音をぶつけられることで、麦にあの答えを云わせるためのエピソードだったわけだ。
結局、麦は演劇の才能があり、様々な経験と出会いを経て、演劇を好きだと堂々と云える子になったわけだけど、だからといって野乃先輩のように演劇に命賭けてるタイプじゃないのよね。演劇を通じて自分の中に培われたもの、つながった人間関係をより掛け替えのないものとして捉えていたわけだ。
正直、あのシーンで麦がちとせを選んでくれたことはうれしかったなあ。色々と割りを食うはめにばっかりあってきたちとせだけれど、友達にさ、あそこまで言われて、うれしくないはずはないわなあ。今の麦が、演劇
がどれだけ好きになって、頑張ってきたかを一番知ってるのは、今となってはちとせなんだから、だからこそ、嬉しかったんだろうなあ。
ちょっと、泣いてしまった。

まーなんだ、ちとせもすぐに次の恋の予感、みたいなものに出くわしてるし(本人がきづいてるかは定かではないけど)、この娘なら絶対幸せつかめるよ。だって、イイ女だもん、本気で。本当に。
実際、ちとせってどういうタイプの男相手でも似合いそうなんだよね。実際、なんかすごいイイコンビになってるし。ヒロインとしては究極的に万能タイプなんじゃないだろうか。まー、振り回せそうな方がより相性良さそうだけどw

そして、麦と甲斐。セリフなしのサイレントで大事な場面を綴れるってのは、生半な実力ではできないこと。それを、この一番大事な場面でやりきって、ええ……すばらしかったです。

まだ外伝――しかもサブキャラメインのお話があるみたいだけど、本編はこれにて終了。お疲れ様でした。ああー、素敵なお話だったヨ。