影執事マルクの忘却 (富士見ファンタジア文庫 て 1-1-4)

【影執事マルクの忘却】 手島史詞/COMTA 富士見ファンタジア文庫

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ちょっ、まだ増えるのかよ。さすがにそろそろ打ち止めかと思ってたら、まだまだ増えるよ、ヴァレンシュタイン家の使用人軍団! いやー、ここまで来ると、なんかドリームチームみたいでワクワクしてきたよ(笑
コーエーのゲームで勇将知将名将を掻き集めてるような気分。契約者は本来、あんまりつるんで仕事はしない一匹狼の性質を持っているようだから、八人もの契約者がこうして一所に集ってるなんて、まずあり得ないことなんだろうし、その八人が八人とも裏社会ではその通り名を知られ、怖れられている名うて、一騎当千の強者たち。
対比する勢力が出てきてないから、今のところヴァレンシュタイン家がどれだけ反則規模の戦力を保有しているかわかりにくいけど、これ本気で軍隊に攻められても蹴散らせるくらいのチートじゃないのか?(苦笑

この作品、面白いのがこの多めの登場人物の相関関係が非常に複雑に絡み合ってることだろう。主人公のマルクが中心となっているのではなく、それぞれがほかの使用人やエルミナと別個に人間関係や因縁を構築していて、あやとりの糸みたいになってるんですよね。おかげで、マルクや少数のヒロインに頼らないちょっとした群像劇みたいな形になっているので、出番そのものが少なくても、他の登場人物の行動から引き合いに出されるので存在感はなくなってないんですよね。これだとキャラクターが増えてきても、困らないはず。まー、連中、どいつもこいつも個性が強すぎるような連中なので、存在感がなくなるということもないだろうけど。なんか、存在感がありませんから! という個性のやつまで出てくるしw
ああ、なんかいいなあ。なんか、家族モノみたいになってきたかも。

しかし、相変わらずマルクは、過去に苦労しているというかひどい目にあっているというか、ほんとにしょうもないことで痛い目見てきたんだなあ。この子は感性がまともなだけに貧乏くじを引いているみたいだよね。
マルクは鈍感じゃない、というのは彼の内面のけっこう浮ついた部分を見るに明らかだったんですけど、妙に及び腰というか自分の気持ちと他者からの気持ちに対して判断を保留するようなヘタれたところが、それと矛盾していてちょっと不思議だったんですけど……そうかー、そんなことがあったら及び腰になるよなあ。勘違いって恥ずかしいもんなあ(大笑い
それでジェノバに辛辣に当たるというのは、マルク、大人げなさすぎ。器、ちっちゃすぎw
ジェノバも多少無神経な所はあったかもしれないけど、勘違いしてたのオマエじゃん。それで八つ当たりとは、矮小矮小(爆笑
あー、でもそういう所がこの子の可愛いところでもあるんですよね。愛嬌があって、男としてはよろしい。主人公のキャラとしては、面白いしほんと好きだなあ。

前回、カナメが一躍ヒロイン格に昇格か、なんて感想で書いてたけど、驚き驚き。なんか、本気でメインヒロインになってきてるんですけど。あくまでメインヒロインのエルミナに対して、対抗馬としてあてがわれるサブヒロインの筆頭格、としてしか認識していなかったんですよね。それが、これはもう、エルミナとのダブルヒロインと言ってもいいんじゃないでしょうか。
少なくともマルクの中では異性としては完全にエルミナと同格として意識されてるわけですし。まさか、マルクの方からも意識されるとは思わんかったなあ。
まー、マルク当人は自分がだれが好きかわかってないんですけど。エルミナに対する気持ちとカナメに対する気持ちに真剣に悩み、ついついアーロンに自分はどっちが好きなんでしょう、とか聞いてしまうこの子が面白すぎて、やっぱり好きすぎる(笑

前回、ヴァレンシュタイン家に就職したセリアさんも、身内になっていい味出してたなあ。すっかり頼れるみんなのお姉さんに。片言キャラなんだけど、しゃべる時はきっちりしゃべるんですよね。こういうキャラ立てって新鮮だ。まさかアルバのことまでアルバ君と呼んでたとは驚きだったけど。この人、根っからのお姉さんキャラだったのか。
アーロンとは父娘関係、かなり仲いいみたいだし、みんなに対しても面倒見がいいし。アルバの下にいた時の冷厳なクールビューティーの印象はどこへやら。いや、カッコイイお姉さんのイメージは変わってないので、今まで素顔が見えなかったってだけなんだろうけど。

結局、今回のエルミナの記憶喪失はただの事故ではなく、彼女が背負うヒミツの中に含まれた副作用からくるものだったらしい。
ラストのエルミナの行動からも、どうやら今まで謎とされていた話の根源の部分に踏み込む展開のようだ。
今回、さらに二名の面白使用人が加わって、だいたい陣容も揃った感じだし(まだまだ増えそうな気もするけどw
そろそろ本番突入か?