狼と香辛料 3 (電撃コミックス)


【狼と香辛料 3】 小梅けいと(電撃コミックス)

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うーむ、こうして見てみると同じ文章から視覚化されたモノとはいえ、アニメの方とはだいぶ印象変わってくるなあ。
敵対商会に追われて地下水道へと逃げ込んだロレンスとホロ。アニメ版ではどこか逃避行といった感じだったけれど、この漫画版ではもっとずっと切羽詰まった感じ。まるで狼の群れに追い立てられているかのように、追いつかれたら死、それもなぶり殺しにされそうな真に迫った命の危険を感じる逃走劇。その中で思いのほか力強くホロを引っ張りロレンスの男らしさ。
なにより、ついに追い詰められ、選択を迫られたときのロレンスの雄々しい立ち振る舞い。のちに、冗談交じりにこのときのロレンスをホロは、騎士のようじゃった、と述懐するのだけれど、こうして見るとあながちホロも冗談でそう言ったのではないのかもしれない、と思わされるカッコよさなんだよなあ。

その後の、ホロの変身シーン。アニメ版も相当の迫力だったけれど、こちらも相当のものだった。物理的な圧力、とにかく巨大な存在感。神と呼ばれるに相応しい威容。
ぶっちゃけ、あれだけ巨大な存在に圧し掛かられるようにされたら、誰だって思わず後退ってしまうわな。それを、あの退きだけで耐えたロレンスは褒められるべきであり、むしろその直後、彼女を引きとめる言葉を頭の中からひねり出した彼の勇気と執着をほめたたえるべきなんだろう。

まあ、今回一番驚かされたのは、脱いだロレンスの裸だけどな。
いやいや、ホロの裸身の艶めかしさもこの漫画の特徴だけれど、ロレンスも負けてないおー。
すごいよ、あの胸毛!!(笑
元々ロレンスってひょろっとした優男という印象なんだが、脱ぐと案外ガタイがいいことに気づかされる。伊達に旅から旅への行商人じゃないんだよね。そのうえで、あの胸毛!(笑
いや、笑ってる場合じゃなくて、これが思いのほかセクシー。妙に生々しい色気があって、このロレンスを「雄、雄」言ってるホロがえっちく思えてくるよw


さて、この三巻にて、原作小説の一巻のエピソードも終り、話は二巻の羊飼いノーラとの出会いへ。
ここで、原作にはない書き下ろしと思われる、ロレンスたちと出会う前のノーラの姿が描かれているわけだが……これがとてつもなく素晴らしい。
この世界における羊飼いという職業が置かれた慮外の者としての立場。教会の彼女への不当かつ残酷な仕打ち。ノーラがどれだけ孤独のうちに置かれ、苦しんでいるか。そして唯一の友人である牧羊犬エノクとの絆がどれほど強いものか。彼女が羊飼いという立場から抜け出すことをどれほど強く望み、焦がれているかを、この短い短編のなかで余すことなく描ききっているのだから、素晴らしいとしかいうほかない。
今後のノーラの言動、選択の土台となる要素が、すべて描かれてるんだから。
うーん、こういうの一つ見ても、この作者は凄いわ。

オマケ番外編は、ホロ、花魁になる(笑
まあ、あの喋り方が花魁のモノなんだから、メチャクチャ似合うのも当然か。大店の若旦那ロレンスとのイチャイチャぶりは此方でも健在。ホロに膝枕してもらってるロレンスにニヤニヤしっぱなし。本編の方じゃ、頼んだらやってくれるだろうけど、ロレンスは意地でも頼まないだろうし、やってもらったらやってもらったでホロからどんな風にからかわれるかわかったもんじゃないから、絶対に見られない光景だもんな。堪能しましたw