いちばんうしろの大魔王ACT7 (HJ文庫)

【いちばんうしろの大魔王 ACT7】 水城正太郎/伊藤宗一 HJ文庫

Amazon
 bk1

2Vの陰謀により学院を包む仮想空間が発生。取り込まれた生徒たちを救うには――生徒を虐殺するしかない!? 仮想空間内に隠された秘密をめぐり、阿九斗はまたも魔王道を突き進む!! ファンタジーラブコメの超人気シリーズ第7巻。


魔王様、魔王になる! いや、何を言ってるかわけがわからないかと思うが、実際こうなんだから仕方がない。
この場合はまあゲームだからいいんだけど、阿九斗の場合まだ魔王呼ばわりされてる方がいいんですよね。この男、堅苦しい真面目な堅物のインテリで、かなり形式ばったところがあるんで、魔王というよりも革命家の方がよく似合う。それもアナーキストならまだしも、わりとこいつ確固とした体制の信奉者な所があるからなあ。
あの、演説をはじめると自分でも予期しない方向に盛り上がっていき、どう転んでもアジデートになってしまうという癖も、今は魔王の暴論だからと、誤解と勘違いから来る恐れとなって無視されてるけど、真面目に受け取られてしまうと喋ってる本人すらも制御できない熱狂と狂信の温床となりかねないし。いやはや、考えてみると主人公のキャラクターとしてはあり得ないくらい社会的に危険な人物だよね、阿九斗って。
そんな、思想や言動が周りとかみ合わず、ヒロイン衆とも誤解と思い込みとすれ違いの連続で、本当の意味でそもそもの意思の疎通が出来ているのかあやしい阿九斗にとって、今回初登場の新キャラである淑恵は、もしかしたら初めて阿九斗と噛み合う人だったのかもしれない。論理的に見えて、常人と筋道がどっかズレてるためにどうしても他人から誤解を受けがちな処など、良く似ているし。だからこそ、絢子もついつい彼女の男版が気になってしまったんだろうし。この娘は、なんでこうも悪気なく振り回してくる相手を意識してしまうんだか(苦笑
そういえば、彼女の全裸担当はもう完璧に鉄板事項となってしまったようで、今回に至っては二度も裸にさせられてしまってます。お色気担当だな、もう。

まあ噛み合わなさでは一際なんだけど、他のヒロインが阿九斗に振り回されるのに対して、逆に彼の常人とのズレを完璧に把握しながら、その橋渡しになろうともせず、それどころかむしろそのズレを積極的に煽って広げに掛っているのが、ころねという人造人間少女なわけです。本来、体制側からの監視役なのに、完全に楽しんでるんだよなあ、この娘。ただ、阿九斗の意図を完全に把握しているので、誤解や勘違いで時に敵にまわってしまったり、阿九斗を妨害するような行動に出てしまう他の連中と違って、ここぞという時一番頼りになるのはころねなんですよね。まあ、この娘の淡々と際限なく悪乗りしていく性格は、ほんとなんとかした方がいいんだろうけど。ある意味、大魔王より常態的に迷惑ですよw
その、一番頼もしい彼女が、今回えらいことに。
悪乗りはしても、まず事態を悪化させず好転させてくれる要因となっていた彼女がこう言う事になると、なんか一気に切羽詰まった雰囲気に。あの大迷惑人造人間、やっぱり何だかんだと要石みたいな存在だったんだな。