影執事マルクの迷走 (富士見ファンタジア文庫)

【影執事マルクの迷走】 手島史詞/COMTA 富士見ファンタジア文庫

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もしかしてオウマ君は、このまま顔出さないまま終わるんじゃないだろうな(笑

今回は短編集だったのですね。実のところ、読んでて途中まで気がつきませんでした。間奏から短編へのつなぎがかなり自然だったからなあ。プロローグがずっしりと質量ともにしっかりしていたというのもあるんだろうけど。ジェノバとオウマが加わった賑やかな屋敷の雰囲気が堪能できて、プロローグだけでも十分おいしかったなあ。変態入ってるジェノバに狙われてカナメは、もしかしたら今一番精神的に忙しないキャラなのかも。マルクを除けば、カナメが一番他の使用人たちとの人間関係の絡みが多いわけだし。何気に、エルミナとの主従関係で恋敵で恩人で同世代の女同士の共感が入り混じってる複雑怪奇な感情の絡み合いによる微妙な距離感が好きなんですよね。まだ、正面からガチにぶち当たってない二人なので、次回あたり、ラストの衝撃的展開から見るに一波乱ありそうだから、楽しみなのですけど。
他は、やっぱりセリア姉さんが好きだなあ。このみんなのお姉さん的な世話好きな風情が、なんとも。普段片言しか喋らないけど、意外と態度とか雄弁なんですよね。やっぱり、アルバの事好きなのかねえ。


さて、一連の短編ですけど、通して読むと…マルクが如何に金運がなく、金銭に執着すればするほど懐から零れ落ちていく顛末を克明に知る事が叶う。別に浪費家でも守銭奴でもないのに、面白いように金が逃げてくなあ、こいつ(苦笑
ラブコメパートは、カナメが案外積極的なんですよね。決定的な所までは踏み込んでこないものの、常にジャブを放ってきて距離を縮めるチャンスをうかがっているのがよくわかる。もっとも、そのことごとくを鈍感スキルで華麗にかわしていくのがマルクなんですけど。こいつのひどい所は、かわしておいて相手がつんのめったらすかさず腕をとって助ける所なんですよね。油断すると無意識に気障ったらしい要所を押さえた態度をとるので、カナメにしても踏み込むべきか様子をうかがうべきか迷わされて、忸怩たる思いをさせられてるんだろうなあ、これ。
一方で、エルミナの方もカナメの攻勢を目の当たりにして、此方も完全に落ち着かなくなってきた感じだなあ。マルクとカナメとのお出かけに、ついつい追跡を懸けてしまったり、マルクが女の子との事でデレデレとしてたらムッとしてみたりと、長編での抑制された態度と比べて、かなり分かりやすい部分が出てきている。
恋愛パートではカナメがかなり先行しているような感じだったのだけれど、今回の最後の展開で一気に分からなくなってきた感じ。
何がどうしてああなってしまっているのか、状況はまったく不明なのですけど、次回ですっきり説明してくれるんだろうか。
わりと一気の進展なので、かなり驚かされているんですけど。