身代わり伯爵の告白 (角川ビーンズ文庫 64-10)

【身代わり伯爵の告白】 清家未森/ねぎししょうこ 角川ビーンズ文庫

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兄貴の身代わりに男装して王宮に出仕していたのも、今となっては随分と昔の話に思えてくる。ミレーユがミレーユ本人として王宮に出入りするようになってからは、身代わり〜のタイトルも名前だけみたいになったのかなと思ってたけれど、よくよく読んでると細かくあっちゃこっちゃでちゃんといろんな人やら役割の「身代わり」をやってたりするんですよね、ミレーユ。作者さんが律儀なのか、タイトルに縛られているのか。
なんにせよ、今回はとうとう兄のフレッドが化けていたミレーユ姫に、フレッドが行方不明になってしまったために、当のミレーユ本人がミレーユ姫の身代わりとしてミレーユ姫として振舞う事に……わけがわからんわい!!(w
フレッドがミレーユの恰好をしてシアラン王宮で思いっきり変人な振る舞いをしていたために、本人であるミレーユが仕方なく兄の演じていたミレーユを演じる羽目になって、へこむやらブチ切れるやら、大変なことになってて、わりとシリアスな状況にも関わらず、笑った笑った。
後々、リヒャルトの妻としてシアラン公国の后妃となるかもしれないのに、シアランの人たちにこんな変人として認識されてしまったら、あとあと偉い事になるだろうに(苦笑
フレッドは一度は痛い目にあった方がいいんじゃないだろうか。結局敵情を探るために捕まったのはいいけど、あまりに行き当たりばったりじゃないの。自分がいなくなってしまったら、ミレーユ姫が行方不明扱いになって随分な騒ぎになっただろうに。たまたまミレーユが潜入してこなければ、どうなっていた事か。さらに挙句、ミレーユが敵中に取り残される羽目になっちゃうわけだし。
お兄ちゃん、シスコンはいいけど状況ひっかき回して逆にミレーユの足引っ張っちゃってるような気もしないでもないぞw

今回は最後までミレーユとリヒャルトは顔を合わす事もできないままなのだけれど、逆にその分お互いの恋心は燃え上がってしまっているようで。相手が目の前に居ないと、余計にその人の事を考えてしまうというのもあるんでしょう、ミレーユがリヒャルトとの今までの想い出を反芻するうちに、彼がどれだけ自分の事を想いやり、気遣い、大切にしていたのかを気付いてあげられたのは、思わずよくやったと褒めてやりたくなった。この子の鈍感度合いはヒドイもんだったからなあ。リヒャって、わりと強めに自分の好意を自己主張している方だったんだけど、完全にスルーしていたもんなあ。リヒャルトが自分の事を前々から好きだったと知った以上、それに照らし合わせて彼のこれまで行状を振り返ったら、そりゃあミレーユでもわかるか。
リヒャルトと結婚する事になるかもしれないという事実に、今までは現実感がなく戸惑いを感じている様子だったミレーユも、いつの間にか自然と彼と結婚することを前提に思考が回っている事に、ニヤニヤ。これで、顔を合わせたら合わせたで、結婚がリアルに目の前に感じられてパニックになるんだろうな、と予想出来てしまい、ニヤニヤ。
だったんだけど、また最後にえらい展開になっちゃったからなあ。少女モノの恋愛モノだと、これってかなり定番ですよねえ。あんまり引っ張らないで欲しい所だけど。この二人、ちゃんと両想いになってからまともに落ち着いて二人だけで過ごしてないもんなあ。お互い、身を潜めて敵中に潜入している立場だし、逢うのも隙を見ての逢瀬で僅かな間だけ。そりゃあ、燃え上がる一方だろうけど、ここまで燃え上がりっぱなしで行くとこまで行っちゃうと、落ち着いた時が大変だろうに(苦笑

今回はついに第5師団の面々にもミレーユの正体バレ。団長含め殆どのやつ、本気でミレーユが女だとわかってなかったのね。そりゃ、女にもてんわw