ナイトウィザード The 2nd Edition アンソロジーノベル 大魔王は、世界滅亡の夢を見るか? (ファミ通文庫 N 3-5-2 SPECIAL STORY)

【ナイトウィザード The 2nd Edition アンソロジーノベル 大魔王は、世界滅亡の夢を見るか?】 菊池たけし、藤原健市、佐藤了、はせがわみやび/石田ヒロユキ、ぽぽるちゃ、みかきみかこ、猫猫猫 ファミ通文庫

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<えまーりゃん先輩>は中の人的にも外の人的にもデンジャラスすぎる!!(笑
と、相変わらずきくたけさんはベル様が大好きなんだなあ、というのが否応なく伝わってくる大魔王ベルによる大魔王ベルのためのアンソロジー、といった風情のつくり。
ナイトウィザードもThe 2nd Editionへと突入して以来、アンゼロットが異世界に旅立ってしまったため、世界滅亡の危機を左右するほどの影響力を持つ大物って、結局ベール=ゼファー独りになってるんですよね。いや、ルー=サイファーも復活してるんだが……って、アンゼロットもよくこっちの世界放置して出張してるよな。柊も別世界に行ってるのに。
そろそろ対冥魔戦のために最近共闘することが多くなったウィザード側に対して馴れ合いにも飽きたベル様が、懲りることなく世界滅亡計画を畳みかけるように仕掛け、ドミノ倒しのように次々に失敗するという、相変わらずのパターンである。
いやさベル様、ぽこぽこ計画失敗して焦ってますけど、あんたの世界滅亡計画って一度たりとも成功したことないじゃない。毎回失敗してるじゃない(笑
つまり、全然ダメ。すべてダメ。まったくダメ、とリオンにダメだしされるのも今更の話なのである。
これで本気を出して遊びを設けず真剣に世界を滅亡させようとすれば、容易にこの世界なんか滅ぼせる力を持っているにも関わらず、面白いからというだけの理由でわざわざ自分で難易度をあげまくった挙句に失敗して、それで本気でへこんでいるのだから愉快すぎる大魔王さまである。
いきなり冒頭から、自分のダメオタ信者を手駒にした計画を立てたり、経年劣化の幽霊を再利用したり、灯の怪物料理を利用しようとしたりと、どれもこれもかなりショボイ計画で仮にも大魔王が企画する世界滅亡計画としてはどうなんだ? という残念さ加減。そのショボイ計画でそれなりに世界が大ピンチに陥っているあたり、この世界の命運も相変わらず易いなあ、と苦笑がにじみでてしまうのだけれど。

最終的に、ベルの世界滅亡計画とは別に、他の敵の横槍によって本格的に世界の危機が訪れ、ついついベルがウィザードの手助けをしてしまう、という展開はこのナイトウィザードではもうお約束の域に達しているみたいだ。敵に回せばへっぽこ天然、面倒だけど愛嬌のある敵役のくせに、味方に回れば異様に頼もしい知勇兼備の最強キャラになってしまう、というのは考えてみると普通のパターンとまったく逆で、面白いなあ。
アゼルは相変わらずのヒロイン体質で、なにかとベル王子に助けられる役回り。ベルもどうしてかアゼルに対しては異様に甘く、めちゃくちゃ可愛がってるんですよね。実はああいう健気に自分を慕ってくる子って好きなタイプなんだろうか。一方で、いつも屁理屈こねて口で意地悪してくるリオンも身近に置いて離さないあたり、単なる寂しがり屋という線もあるけど。くれはも結構気に入ってる節があるし。


アンゼロットが異界に旅立ち、柊も異世界で戦ってる今、ファー・ジ・アースのウィザードの主力って、復活した真行寺命が担ってるようなものなんだなあ。逆に言うと、このレベルで活躍する、というか存在感のある新キャラが未だ登場してない、って事にもなるんだろうけど。