DARKER THAN BLACK ~漆黒の花~ 1 (ヤングガンガンコミックス)

【DARKER THAN BLACK 漆黒の花 1】 岩原裕二 ヤングガンガンコミックス

Amazon
 bk1

うわぁ、これは想像以上に素晴らしかった。漫画とアニメという媒体の違いこそあれ、これま紛れも無く【DARKER THAN BLACK】そのものじゃないですか。アニメの漫画化とかスピオンオフとはこれ、レベルが違うというか根本から異なっています。まさに続編そのもの。雰囲気や話の筋立て。これは感覚的なものなんだけど、構図なんかもかなりそのままなんじゃないかな。
この漫画を書いた人が、そもそもDTBのキャラクター原案者というのもあるんだろうけれど、これほどしっくり来るとは。
この【漆黒の花】はちょうどアニメ一期と二期の間を繋ぐ物語。なので、黒はまだ銀と行動をともにしており、霧原未咲は未だ公安外事四課の課長としてバリバリと働いています。彼女が八丈島に飛ばされたのはこの事件がきっかけとなるんだろうか。パンドラに乗り込んで、事件関係者と協力してなにかやらかしそうな雰囲気だし、相変わらず無茶やってて、そりゃあ親父さんがいくら警備部のお偉いさんでも飛ばれておかしくない事やってますね。むしろ娘の身の安全を考えた親父さんが手を下したとも考えられますけど。まあ、まだ起こってないことを想像しても仕方が無い。
話はトーキョーエクスプロージョンの残滓。そこから派生した契約者と人間、両方の未来を貶める可能性を秘めた謎の黒い花の契約者が暗躍し、アンバーから未来を託された黒がそれを追うというもの。
契約者ではない普通の人間に、擬似的に契約者と同じような得意な能力を付与する黒い花。誰がなってしまうか完全なランダムである契約者に、その男に頼めば慣れてしまうというのは、その代償も含めてまさに悪魔との契約である。その悪魔がもたらす力に魅了され、元いた日常から逸脱していく普通の人々。いや、元よりその日常の中に燃やし尽くしたい怨念や憎悪を抱えていたからこそ、悪魔の力を求めることになったわけだけど、これがまたえぐいんだ。人間の醜さをまざまざと見せ付けるような醜悪な男の所業に振り回される親友同士だった女子高生の二人組み。この二人の顛末が、二人の秘めた愛情と憎悪と友情の鬩ぎあいと、その悲しい末路を含めて、圧巻の出来栄え。黒と花の契約者との戦いの添え物どころではなく、完全に今回はこの娘たちが主役ですわ。その意味では、話ごとに主人公がそれぞれ設定されていた一期のスタイルをそのまま踏襲しているとも言える。

一方で、一期の間とは違って格段に距離感が近くなった黒と銀の関係もまたこの巻の見所ですね。描かれているシーン自体は少ないものの、疲れて眠り込む黒の隣にちょこんと座り込んでじっと眠る黒を見つめる銀や、空腹でお腹を鳴らす銀に自然な笑みを浮かべて何か作ろうと口ずさむ黒とか、見ててニヤニヤさせてもらいましたよ、うん。
未咲さんもそのどこか惚けた日常シーンから緊迫した事件のシーンまで、全部未咲のターン! と言うくらい縦横無尽に走り回ってくれて、未咲分を堪能させてもらいましたし、これは本当に面白かった。
まだまだ事件もとっかかりで、続くようなのでこれはひたすらに追いかけたいと思います。DTB好きな人は、これは見逃したら大損ですわ。