白銀の城姫 (MF文庫J し 4-4)

【白銀の城姫(ベルクフリート)】 志瑞祐/上田夢人 MF文庫J

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ああ、これ実在の城がモチーフになってるのか!! これってよく考えると、本来直接対峙することが有り得ないお城同士が、城姫という形をとって直接対決するという事でもあり、燃える展開だよなあ。
今回登場したヒロインのシャトレアを初めとして、三人の城姫の本拠となる城塞はそれぞれ、自分でも知っているような著名なものだし。あの城とこの城がガチンコ対決とか、そう考えるとめちゃ燃えませんか?
あとがき読んだら、次回は海を渡って岐阜城襲来か!? とか書いてあるしw いや、これが冗談なのか本気なのかは分かりませんけど、舞台となっている15〜17世紀の欧州だけでも多種多様の城があるものの、古今東西の城の参戦が叶うとなればちょっと興奮してしまう。遺跡もあるみたいだし。それぞれの城姫が持つ固有兵装も、それぞれの城の持つ特徴が活かされているとなれば、単純に名前を借りただけのものではなくなりますし。
しかし、安土でも大坂でもなく岐阜城というのは渋いよなあ。もしかして、本気なのか?
放浪の城姫として登場したシャトレアが、最後に自分の真名を思い出すシーンも、おそらくは誰もが知っているあの城が!! という事で思わず「おおっ!」と歓声を上げてしまいましたし。
舞台そのものは異世界であるものの、その有り様は殆ど現実の欧州で、途中で幾つかあげられる戦史などもほぼ史実に基づいたものなんですよね。とはいえ、確かに15〜17世紀あたりが色々混ざっているっぽいけど、それがむしろ面白いことになっている感じ。敵ボスの鉄仮面からして、かの有名なあの人物がモチーフですもんねえ。なるほど、確かにあれも考えようによっては城塞といえるのか。
実際の戦争の風景も、城がテーマなせいか攻城戦や攻城兵器に焦点が当たってたり、工兵部隊や建築様式などへの注目度もかなり視点が違ってて、読んでても新鮮でこれがなかなか面白い。主人公からして、建築士であり、ヒロイン格として登場するレティーツィアも工兵傭兵団の団長で壊し屋という面白い役どころだし。
ここに、建築にまつわる<建奏術>という様々な種類の魔法という要素が加わって、設定的にもかなり興味を引っ張られる面白い作品になっている。
城姫同士のバトルも、ミシェルとのそれは城の陣地や特性を活かし殺しし、主人公の建築士という役割をいかした、単なる叩きあいとは違うものになっていたんですよね。こういう、城姫同士の特性で勝負するようなバトルをこれからも続けられたら、他のファンタジーに埋没せず独自性を押し出していけると思うんだけどなあ。

あと、取りあえず主人公のリンツは女の子慣れしていないのか、かわいい女の子と見るとすぐにときめいてしまうのはヤメとけ(苦笑
どうしても気が多いように見えてしまって仕方が無い。最初は幼馴染のエリッセ一筋かと思いきや、なんかシャトレアといい感じになっちゃってまあ。レティにも何だかんだと気になるそぶりを見せてるし。エリッセがちょいかわいそうだぞ、おい。
なんか最後、彼女は力を失ってしまったっぽくなってるけど、このままヒロインとしても城姫としても戦線離脱というにはあまりに勿体無い、可愛らしい魅力的なキャラだっただけに、何とか復活して喰らいついてきてほしいよなあ。ほんと、あれで御仕舞いというには勿体無さ過ぎる。