毎年この記事はどうしても年を越して三日くらいになってしまうんですよね。年末は他にも総括記事書くのに忙しいのと、どうしても12月刊行分が積み上がってしまうからなのですが。
本来なら年内中に書いておいて方が好ましいのでしょうけれど、こればかりはなかなか。

うむ、毎年自分が選ぶものは他とちょっとズレてしまう傾向があるのですが、今年はわりとマイナーどころばかりに偏らずに済んだ気がする。それでも、五つ星の方にはマイナーどころがちらほらと混じっているのですが。
まあ有名どころはみんな読んでいるのですから、こういうところでマイナーどころをプッシュして少しでも知名度あげるのに貢献しておかないと、続きが読めない!(切実

ちなみにコチラが去年の記事


超☆殿堂


普段の星付けの範疇を逸脱した、これはすなわち七つ星に値する、文字通りの殿堂入り作品。
その面白さはもはや暴虐の領域へと至り、快楽中枢はフルスロットルで脳内麻薬を大量分泌。
Read and die.



【戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還】 林トモアキ/上田夢人 スニーカー文庫



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クライマックスの盛り上がりは限界知らずの青天井。大逆転に次ぐ大逆転。思いもよらない怒涛の展開のダイダルウェーブ。ハチャメチャを通り越した、とんでもない規模の痛快愉快。
前シリーズの【お・り・が・み】のクライマックスはそれこそ行き着くところまで行ってしまった究極のラストだっただけに、その続編たるこのマスラヲが果たしてその領域まで辿り着けるのか不安どころかもう期待すらしていなかったのだけれど、どうしてどうして、自分の見識がどれほど甘かったのかを思い知らされた、すさまじい、あまりにもすさまじい激燃えエンディング!
燃え尽きた、真っ白に燃え尽きたぜーー、とひっくり返って痙攣してたら、まだ続編あるってかーー!!



【BLACK BLOOD BROTHERS 11.賢者転生】 あざの耕平/草河遊也 富士見ファンタジア文庫



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生きることとは戦いである。夜の世界の住人であり、闇にうごめく吸血鬼であろうと、彼らは動く死体ではなく、赤い血が流れる人間と何も変わらない、黒くも熱い血潮が体を駆け巡り、魂の間を循環する、必死に生きようとする人々だったのだ。
断絶していた昼と夜が交じり合い、赤い血と黒い血が手を取り合い新しい世界が幕をあけようとしている時代の中で、その時代の扉をこじ開けようと、生きようと足掻き戦ったモノたちの物語は此処に一先ずの終わりを見る。
去っていった人々の背中と、毅然と前へ進み続ける人と吸血鬼たちの足音に耳を澄ませながら、こらえきれない感情の滾りを必死に宥めながら、この最終巻を読み終えた余韻に身を委ねるばかりだ。



【紫色のクオリア】 うえお久光/綱島志朗 電撃文庫



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疑いようも無く、09年度における最大の衝撃作である。
この本を読んだときに感じるものは、きっといきなり超音速ジェット機のコクピットに放り込まれたような、高度一万メートルの高高度から突き落とされたような、そんな恐怖感だ。
想像もしたこともないスピードまで際限なく加速していくかのような感覚に、ただただ震えてしがみついているしかない。だがそれでも手を離す事無く必死にしがみついているのは、恐ろしいまでのその加速の向こう側に、見たことも無い地平が広がっているのを確かに感じるからなのだろう。
本物の傑作というものを、体感せよ。



【翼の帰る処 2.鏡の中の空(下)】 妹尾ゆふ子/ことき 幻狼ファンタジアノベルス



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09年で最大の収穫は、やはりこの作品なのだろう。第一巻の上下巻も相当面白かったが、二巻に至ってその面白さはもはや異常の域に達してしまった。いわゆる、好き過ぎて死にたくなるタグイの面白さである。
これ以上なく正統派であり、重厚でありながらコミカルでもある、いつまでも食んでいたい味わいと粋の詰まったハイ・ファンタジー。
幻狼ファンタジアノベルスという、文庫ですらなく新書というレーベルでの刊行ゆえに手を取る機会を逃している方も多かろうと思うが、本当に面白い本を読みたいならばこれを読まない手はない。



【テスタメントシュピーゲル 1】 冲方丁/島田フミカネ 角川スニーカー文庫



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シュピーゲルシリーズも、オイレン・スプライトと統合されての最終幕がスタートとなった。その第一弾。テスタメント―大嵐の名を冠したタイトルどおり、まだ幕開け序章にもかかわらず、状況は最初からクライマックス。読み通すのに、およそ五時間弱というすさまじい時間をかけざるを得ないほどの濃密にして分厚い中身は、もはや凶器である。
第一巻でこれとなると、以降は読む際にかなりの覚悟が必要となるかもしれない。身辺整理を忘れずに♪


六つ星キラリ


【ベン・トー 3.国産うなぎ弁当300円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫



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半額弁当の争奪戦という、実にくだらない争いの物語でありながら、そして自身その卑俗さを一切否定せぬまま、この物語は同時に誇りを何よりも尊ぶ、気高き狼たちの闘争の物語として雄雄しく成り立っている、この奇跡の作品は、いったいどこに辿り着こうとしているのか、どこまで駆け上がろうとしているのか。あやめは幼馴染の気安さを利用していったいどこまで佐藤とヤッちゃうのか、本年度も見逃せない一作である。



【時載りリンネ! 5.明日のスケッチ】 清野静/古夏からす 角川スニーカー文庫



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真剣に、深刻に、なんでこれが売れていないのか、評判を得ていないのか首を傾げてしまう。
おそらくはラノベ業界全体を見渡しても屈指の美しさ、滑らかさ、格調の高さを誇る文章は、読めば読むほど陶然と魅了され、口元からは至福のため息が零れ落ちていくばかり。
幼い少年少女たちは、短くも燦然と輝く時間の中を飛び跳ねながら駆け回り、少しずつ大人になっていく。その成長の過程を見守ることの出来る幸せに浸りながら、絶え間ない名文の連なりを思い立っては眺め返すのである。


【翼の帰る処 2.鏡の中の空(上)】 妹尾ゆふ子/ことき 幻狼ファンタジアノベルス



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隠居したい面倒くさいサボりたい、もうそろそろ死ぬ死ぬといい続けているうちに、何故かしがない中間管理職から皇国の四大公の一人にまで出世してしまったヤエト先生。この人の恐ろしいところは、面倒くさい、やりたくないといいながら、あらゆる物事に対して絶対に「出来ない」とは言わないし思ってないところなんですよね。そして、実際に現実に、やってしまうんだ、この人は。



【葉桜の来た夏 5.オラトリオ】 夏海公司/森井しづき 電撃文庫



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ライトノベルでは殆ど見たことのない、政治軍事サスペンスとボーイ・ミーツ・ガールの決定版も、これにて完結。いやもう、素晴らしかった。すごかった。
その尋常ならざるクレバーさと政治センスで、極限状態に陥った日本政府とアポステルの緊張状態に介入し、人々を動かして状況を動かしていく南方学の手腕には戦慄しっぱなしだった。ほんと、これライトノベルの主人公の戦い方じゃないよなあ。



【龍盤七朝 ケルベロス 壱】 古橋秀之/藤城陽 メディアワークス文庫



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真・黒フルハシ降臨!!
今度の舞台は中華風異世界における武侠モノ! 武侠と言って想像した物は総じて廃棄しておくが無難である。黒フルハシが手がければ、それは文字通り想像を絶する怪物と成り果てる。世界も人も、物語すらもだ。
これは、一匹の怪物の物語。
三首四眼五臂六脚の、怪物を殺す怪物の物語だ。





以下には、09年度の五つ星作品を列挙
光泉の五つ星


前年この枠で並べた本数が71作だったのに対し、今回は半分以下の34作となっている。
これは面白かった作品が減っているのではなく、09年度に関しては以前よりもかなり選定に対して厳しめに星付けをしていたと考えてもらっていいと思う。つまり、それだけ先年よりも厳選されたラインナップとなっている。
すなわち、より選び抜かれた嫁本たちなのだw



電撃文庫

【狼と香辛料 10】 支倉凍砂/文倉十 電撃文庫
【とらドラ! 10】 竹宮ゆゆこ/ヤス 電撃文庫
【世界平和は一家団欒のあとに 7.ラナウェイキャット】 橋本和也/さめだ小判 電撃文庫
【葉桜が来た夏 4.ノクターン】 夏海公司/森井しづき 電撃文庫
【GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 2(下)】 川上稔/さとやす 電撃文庫
【神様のメモ帳 4】 杉井光/岸田メル 電撃文庫
【さよならピアノソナタ encore pieces】 杉井光/植田亮 電撃文庫
小説版 ガンパレード・マーチ ファンブック ビジュアル&ノベルズ
【ねこシス】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫


        




富士見ファンタジア文庫

【封仙娘娘追宝録 11.天を決する大団円(下)】 ろくごまるに/ひさいちよしき 富士見ファンタジア文庫
影執事マルクの迎撃】 手島史詞/COMTA 富士見ファンタジア文庫
【影執事マルクの天敵】 手島史詞/COMTA 富士見ファンタジア文庫
【影執事マルクの忘却】 手島史詞/COMTA 富士見ファンタジア文庫
ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック! (富士見ミステリー文庫)
【BLACK BLOOD BROTHERS 10.銀刀出陣】 あざの耕平/草河遊也 富士見ファンタジア文庫



     


富士見ファンタジア文庫

【レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い】 三田誠/piko スニーカー文庫






MF文庫J

【聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 4.Hero】 三浦勇雄/屡那 MF文庫J
【聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 5.Sacrifice】 三浦勇雄/屡那 MF文庫J
【聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 7.Unrivaled】 三浦勇雄/屡那 MF文庫J
【天川天音の否定公式】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J
【天川天音の否定公式 2】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J


    



スーパーダッシュ文庫

【カンピオーネ! 3.はじまりの物語】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫
【鉄球王エミリー  鉄球姫エミリー第五幕】 八薙玉造/瀬之本久史 スーパーダッシュ文庫


 



GA文庫

【神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師】 あざの耕平/カズアキ GA文庫 
悠久のアンダンテ 荒野とナツメの物語】 明日香々一/文倉十 GA文庫


 



HJ文庫

【ミスティック・ミュージアム 3.〜I Pledge For My Dear〜】 藤春都/森井しずき HJ文庫






ガガガ文庫

【Gunning for Nosferatus 1.此よりは荒野】 水無神知宏/maruco ガガガ文庫
【とある飛空士への恋歌 3】 犬村小六/森沢晴行 ガガガ文庫


 


メディアワークス文庫

【陰陽ノ京 月風譚 黒方の鬼】 渡瀬草一郎/洒乃渉 メディアワークス文庫






一迅社文庫

【ぷりるん。 特殊相対性幸福論序説】 十文字青/ま@や 一迅社文庫






その他

【偽物語(下)】 西尾維新/VOFAN  講談社BOX
【プリンセスハーツ 初恋よ、君に永遠のさよならを の巻】 高殿円/明咲トウル ルルル文庫
【アップルジャック】 小竹清彦/mebae  幻狼ファンタジアノベルス
【さよならの次にくる<新学期編>】 似鳥鶏/toi8 創元推理文庫