ゼロの使い魔 18 滅亡の精霊石

【ゼロの使い魔 18.滅亡の精霊石】 ヤマグチノボル/兎塚エイジ MF文庫J

Amazon
 bk1

ぐおおおっ、ルイズさんがついに、ついに<ツンデレ>をご卒業あそばされました!!
うん、これはもうデレ状態ですらないですよね。自分がサイトを愛している、その事実を否定も肯定もせず、ただただ在るがままに受け入れた状態。これまでももう既にサイトが好きという事実を自他共に認めて、恋人として在ったわけだけれど、さらにそこからもう一皮むけた段階の愛情へとクラスアップしたのが、今のルイズさんで……。
無理もせず、浮かれもせず、依存もせず、気負いもせず、建前も前置きも言い訳も装飾も必要とせず、極々自然にサイトを愛するに至った今のルイズさんは、もうパネェっす。こりゃあ、他の娘っこどもは太刀打ちできない領域にまで飛び抜けちゃったなあ、ルイズは。他の娘たちはまだサイトに恋をしている段階だけれど、ルイズはもう愛の段階にまで至っちゃったわけだし。
サイトも頑張らないと、ルイズは一足先に大人になっちゃったわけで、これだと本当の意みで頭があがらなくなるぞ。確かに、サイトは少年から一廉の男として立派に成長して、いつの間にかルイズはその男の背中を追いかけ縋る関係になっていたのだけれど、今回の成長でルイズは一端の男であるサイトをその胸と腕の中に抱きしめられるより大きな存在になってしまったわけで、サイトの性格からしてそんな彼女に見合うように、さらに自分への要求値を高めていくことになるんだろうし、こりゃあ大変だわ。

タバサを誘拐し、双子の妹を入れ替わりに女王に仕立て上げたロマリアの陰謀との対決は、驚愕の展開に。聖戦に固執して、これまで延々と周到な策謀を積み上げてきた法王とジュリオ。その容赦ないやり口や、法王の得体の知れないカリスマ性の描写から、タバサと妹との入れ替えはこれまで怪しい動きを見せながらもじっと牙を研いでいた真の黒幕がついに本性を表した! と思われた展開だっただけに、しばらく対ロマリアのこれまでと違って表沙汰に出きない闇側での陰惨な闘争が繰り広げられるのかと構えていただけに、ちょっと拍子抜けでは在ったのだけれど、それを上回る真実には、ロマリア側の形振りかまわぬ立ち回りに確かな根拠と実像を与えて、なるほど納得させられた。
あの法王の自信の絶対正義を信じ抜いているような意気込みは、そういうことだったのか。
正直、いくら決して失敗の許されぬ慎重さを求められていたとはいえ、あれほどの真実を秘密にして各国との関係を破滅させかねない布石を次々と振りまいた姿勢と言うのは、ある種のパニック状態にあったと思ってもいいのかもしれない。冷静たらんとしようとはしていたんだろうけれど、本当に冷静だったならもっとやりようというのはあったはずだし。
それでも、この結果を導けたのなら彼らは賭けに勝ったと言うべきか。

なんにせよ、ジュリオの好感度はこれで大逆転だな。少なくとも、あそこでキレたり、偽悪的に振舞う心根は、いい意味での男らしい見栄っ張りで、非常に可愛げが感じられる。女の子からは呆れられる姿勢なのかも知れないけれどね。