ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

【ココロコネクト ヒトランダム】 庵田定夏/白身魚 ファミ通文庫

Amazon
 bk1

うはははは、やべえやっべえ! この文化研究部の五人組、ツボに入りすぎ。私の好み、直撃しすぎ。デッドボールデッドボール! というよりもむしろビーンボール危険球。
好きすぎて、読んでいる間中、というよりも五人が集まってワイワイガヤガヤ喋ってるシーンの間じゅう、七転八倒悶えてましたよ。
これはいいわ、ホントいい♪ キャラクターがみんな立ちまくっているにも関わらず、イイ意味でキャラが固まっていないんですよ。特にヒロイン三人衆の永瀬伊織、稲葉姫子、桐山唯は本当の意味で個性的。いわゆる定型、テンプレのたぐいのキャラとしての枠組みが固まってないんですよね。稲葉なんか特に最初は典型的なタイプかと思ったけど、すぐにぶち壊してくれたもんな。全体的にキャラクターが非常に柔軟で自由自在。ぶっとんでは居ても、しっかり地に足もついていて浮ついていなくて、現実的というかなんというか。こればっかりは読んでもらって実感して貰った方が早いかも。
とにかく、個々人ではなく、4、5人のグループとしてのキャラクターにこれだけ惹きつけられ、魅せられたのはあんまり経験が無い。すっげー惚れた。
このキャラクターの書き方、掛け合いのさせ方、話の雰囲気作りは、誇示していい才能だと思う。これは、この作家さんだけの特技であり、必殺技ですよ。
若干、それぞれの個々が抱える問題へのアプローチやその解決については無骨が過ぎるとも思ったけど。もう少し自然かつナチュラルに問題に直面し、その解決についても主人公の正直すぎる真正面突破じゃなく、ある種の偶然と皆の想いや決意がうまい具合に絡んだ展開が欲しい感じだったんですけどね。
それぞれの抱えた問題を変に過大に見上げず、等身大に視点を変えてまとめたやり方はとても好感が持てて好きですけど。この入れ替わりの問題についても真相を求めず、割りきって五人の直面したものだけに限定したのも、これはこれで私は悪くはないと思ったなあ。

男女の入れ替わりモノとなると、どうしてもエッチな方向に話を勧めたくなるものだけれど、それを敢えて回避したのも、これは御見事と言うしか無い。そのかわりに、カラー口絵にもある16日目の青木と太一がやったネタは、こいつら本当に天才じゃないのかと思いましたよ! いや、その発想はなかった!! 素晴らしい、いやっほーー!

個人的には、最後の太一の選択はちょっと自分の予想していたのとは違っちゃったんだよなあ。こればっかりは太一の好みだから仕方ないんだけど、もう一人の彼女の方がねえ、あれだけ信号出してたもんだから、てっきり最後に大逆転してしまうんじゃないかと密かに期待してたんだけどw

いやあ、でも素晴らしかった。もう、こいつら見てるのメチャクチャ楽しかった。このキャラクター造成能力は、もう逸品ですわ。この新人さんの作品は、これからも積極的に追いかけますよ。