ほうかご百物語〈7〉 (電撃文庫)

【ほうかご百物語 7】 峰守ひろかず/京極しん 電撃文庫

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あー、面白かった! このシリーズは高値安定しているなあ。
今回はイタチさんが妖力を使えなくなり、普通の女子高生になってしまったものの、基本的にはいつもと変わらず、いやいつもよりも真一くんが張り切っているものだから、ちょっと弱気なイタチさんがキュンキュンときめいてしまうことに。
……誰か、このバカッっぷるどもを何とかしてくれ(笑
このシリーズ、登場人物も増えて女の子キャラもだいぶたくさんいるにも関わらず、誰もイタチさんと真一の間に割って入ってこようとしないという点で、他のラブコメものとは一線を画しているんだよなあ。これだけみんなから好かれながら、これだけ異性として見られてない主人公と言うのも珍しい。まあ、イタチさんとここまでバカッぷるを形成していなかったら、もしかしたらいい雰囲気になる機会のある娘もいたんだろうけど、あれだけご馳走様な光景を毎回毎回見せつけられてたら、恋だのなんだのというのは芽生えんか。どう荒がっても脈無しなのはわかりきってるし。
前巻あたりから、イタチさんの真一からの積極アプローチの受け入れ態勢も完全バリアフリー状態になってきてるもんなあ。なんか、ツマラナイことで嫉妬したり、それとなくキスをせがんでみたり、思いっきりハグされても前みたいに抵抗したりせずされるがままになっていたり、とバカップル度が双方向性になってきて、だから誰か止めろw
二人ともこれで何気に健全でプラトニックだし、たまたま邪魔が入ってるから寸止めになってるけど、そのうち一線を踏み越えそうだw 周りの連中は敢えて邪魔しないだろうし。

イタチさんが力を失っても、今となっては周りに妖怪さんや半妖がたくさんいるので、戦力的には問題ないと鷹揚に構えてたら、肝心なときにはみんな居ない、というお約束顛末w
とはいえ、いつもは頼もしくピンチになったら颯爽と力を奮って怪異を撃退するイタチさんが無力だから、二人して普通の人間みたいにきゃーきゃーと逃げ回る展開と言うのは、バカップル的にもなかなか新鮮なイベントだったんじゃないだろうか。特に、廃校となった分校の旧校舎での学校の怪談編なんか、翻ってみればナイスな夏の思い出イベントですし。実際、いい雰囲気になってたし。
階段と言いつつ、適度に脱力展開なのも、このシリーズだと安心要素です。トイレで上からのぞきこんでくる怪異に、ミサイル直撃とか吹いたわ! このシリーズ、妖怪も変人ばっかりなんだけど、人間の方もワをかけて変人が多いんだよなあ。粂神女史がここまでハッチャケたキャラになるとは思わんかった。キャラ多いにも関わらず、みんなキャラ立ちまくってるし。
とはいえ、適度に気を抜きつつも、何気にけっこうシリアス度の高い展開ももってくるんですよね。以前から暗躍していた鳴女の目的がついに明らかに。こいつ、典型的な手段と目的が逆転してしまったヤツだったんだな。完全に本末転倒、マッチポンプじゃないか。元々妖怪と言うのは、自分の存在意義に縛られるものという設定はあったけど、学校で楽しくやってる妖怪連中は経島先輩の言うとおり、自分の存在理由をうまいことコジつけて、現世でよろしくやってる連中ばっかりなので、ある意味マジメというべきなのか、鳴女たちは。
それでも、こいつらが目論んでいたことは、かなり深刻。危機的なもの。そこに放り込まれたラストの伏線には、思わず声をあげてしまった。まさか、そちらからそんなアプローチをもってくるとは、これは予想もしていなかった。あの人達については、その進展を微笑ましく見守っていただけに。うむむ、なかなかにこれは熱い、色々な意味で熱い展開が待っているかもしれない。

こちらは伏線じゃないんだろうけど、次期生徒会会長候補、結局誰がなるんだろう。真一は美術部もあるから、まず無理みたいだし。他に1、2年生で候補となり得るやつ、いただろうか。人数だけはたくさんいるものの、みんな部活に所属していたり、生徒会長など務まりそうにないヤツばっかりなので、これも予測がつかんなあ。
いっそ、イタチさんがなるとかw

獅子岩アルトは、そういえばかなり初期からのキャラにも関わらず、まだSDキャラでしかイラスト化されてないんだよなあ。そろそろ、全体像が見たい。この人、実は妖怪なんじゃ、と出てきた当初から疑ってたんだが、今になってもそういう話にならないということは、やっぱり人間なのか。ほんとに、普通の人間か? という人が多過ぎるよな、この学校w