僕は友達が少ない 3 (MF文庫 J ひ 2-21)

【僕は友達が少ない 3】 平坂読/ぶりき MF文庫J

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隣人部のメンバーも一揃いし、いよいよ本格的に隣人部の活動が始まる!! となった途端に、夏休みに入ってしまうというタイミングの悪さに苦笑していたら……夏休みでも普通に部活に来る隣人部の面々。そして、普段と同じくだらだらと部室で過ごす面々。
いや、おまえらよ、な、夏休みよ? な、なつ、夏休み……夏休み。
そ、そもそも本格的な隣人部の活動って、本格的も何もあったもんではなかったのだった。友達が欲しいと集まったくせに、こいつらは根本的にその目的を叶えるための行動に出ようという意思も気力も、それ以前に発想も無いのだからして、ただただ居心地の良い空間にだらだらと滞在するのが既に隣人部の本格的な活動となってしまっている次第。これをなんとかせねばと奮起するようなキャラクターも全く皆無。となれば、今後もこのままこれが続くのか。
しかし、夏休みを無駄無為無意味に過ごすのはまあ珍しくはないけれど、それでも長期のお休みに対して何らかのワクワク感や期待感を膨らませるものだと思ってたけれど、こいつらにとっては単に授業がないというだけで、それ以上でもそれ以下でもないんだなあ。むしろ、暇で時間を持てあます分、夜空や小鷹などはしんどそうである。長期の休みが暇で退屈で苦痛って…君たちってやつは……本気で泣けてきたぜw

まさかこのまま、夏休みは延々部活でダラダラと過ごすだけという、信じがたい暴挙が最後まで続くのか、続いてしまうのかといささか本気で危惧してしまったが、実はさり気なく自覚なくリア充しているこの連中は、結局夏休みもリア充に流されていくのであった。さあ、そろそろ殺意が湧いてくる読者もいるんではなかろうかw

とはいえ、幾らリア充していても、それに気づかないくらい隣人部の諸君は世間慣れしておらず、どうしても所々で、もしくはイベントの終りで残念な引き出物を引き当ててしまうわけである。というか、お前ら今日はたのしかったなーー! で普通に終われないのか! なんで毎回そんな、微妙に気まずい終わり方に徹しようとするんだ。なんの強迫観念に駆られているんだ!?


「あ、あんちゃん! ちゃんと見といてよぉ!

と懇願して全裸になって着替える妹……。こ、小鳩さん。あーた、小学生低学年のお子様じゃなくて、仮にももう中二なんですから、その、もうちょっと羞恥心と言うものをですね……。
この娘、幾ら何でも兄に対して無防備すぎると言うか、肉体的にも精神的にももうちょっと成長してくれた方が嬉しいと言うか。
いやいや、でもこの巻では演じるセリフよりもナチュラルな方言の方が多かったので、もうそれで充分だ。ふにゃふにゃよー。

一方で、着実かつ堅実にフラグを積み上げていっているのは、星奈の方で。これって、一歩一歩は決して大きくはないんだが、夜空の方に全くと云っていいほど恋愛フラグが立ちそうなイベントが起こらなかったので、完全に星奈が距離間詰めてるんですよね。
なんか、なしくずしに自宅に呼んで一泊、とかいうイベントに、さらにお風呂で全裸ドッキリと言うお約束までやっちゃってるし。そこで、何故か彼女のお父さんと同じベッドでご就寝という、凄まじすぎるオチが待っているんだが。
あのお父さんはなーー(苦笑 性格的には面倒くさいけれど凄くイイ人そうで、意外とというと失礼だけれどそんな破綻した人でもなく、わりかしまともなんですよね。あー、星奈の血縁だ、というのがよく伝わってくるけれど、星奈の破綻した部分がこなれてちゃんと社会に適応した感じか。大人としてもまあ、頼れそうな人なので良かった。
ただただ、名前が残念という悲劇……笑ったわ!! おいおいおい、役所は止めてやれよ!! 近年は奇抜な名前をつけられる子どもが増えて、将来は可哀想なことになるんじゃないか、という危惧がなされている昨今ではあるけれど、具体的にこういう例を見せられてしまうと、なんかもう涙つまされるww 改名しなよ、お父さんw もしつけた親に遠慮かこだわりがあるとしても、それはさすがに、小鷹が自分の髪を染めようとしない、というこだわりとは別次元の問題だよw いや、その名前は酷い(爆笑
そんな名前の残念な理事長から、娘のことを頼まれる小鷹。これって、小鷹は気付いていないが、完全に親から認められた関係、ってやつになっちゃってるよなあ。
ぶっちゃけ、星奈はあほの子だけれど、小鷹に対しては健気だし一生懸命だし、結構素直だし、とかなり可愛いので、正直私は星奈派だ。
なのだが、ラストで、これまで沈黙を守り続けてきた夜空の、まさかまさかの必殺の一撃。つーか、え、ええ!? べ、別人じゃない!? こ、これは絵師のブリキさんの大技炸裂だわ。文章だけでも充分インパクトある描写だったけれど、最後のイラストは強力この上なし。
はーーー。

ただ、今の時点ではまだ、友達という関係にこだわっている夜空と、小鷹を男性として意識することを肯定している星奈とでは、まだ若干立ち位置に差があるんですよね。
それとは別に、小鷹の意識、という点も今後は重要になってくるんだろうけれど。親友か、恋人か。残念ながら、その関係を両立させるというのは不可能とは言わずとも、まずもってありえないほど困難ですからねえ。関係性へのこだわりは、そのまま関係性の発展、もしくは変化変質を拒み歪める拘束となりかねないわけで。
三巻ラストにして、根幹を揺るがすほどに大きく大きく動いてきたストーリー。まさに、ここからが本番か!!


しかし、名実ともにこのシリーズ、MF文庫Jの看板へと駆け上がってきた。遠からずアニメ化、とかもなるんだろうなあ。

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