神明解ろーどぐらす (MF文庫 J ひ 3-7)

【神明解ろーどぐらす】 比嘉智康/すばち MF文庫J

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 bk1


くわっ! こ、これはっ!?
これはっ、これはぁ!! キタキタキタキタ、ひゃっはーー! これはキタぁぁぁ!!

MARVELOUS!!
MARVELOUS!!
MARVELOUS!!


最高だ、これ。すばらしいーーーーーー!!

一見意味不明なタイトルからはてっきり学園異能系のそれかと思ってたら、ろーどぐらすって……道草のことかー!!
今や富士見Fの【生徒会】シリーズやMF文庫Jの【僕は友達が少ない】などに代表され、一大潮流となりつつある駄弁り系ライトノベルの新機軸が此処に誕生。以前までのはクラブ活動的なものだったけれど、この【神明解ろーどぐらす】は言うなれば
帰宅部!!
下校時の他愛の無いお喋りや、友達と連れ立っての寄り道、道草、買い食い。それこそ、下校時の学校を出る前のまったりした時間などを主舞台に置いた、まさに本格的に駄弁り倒すことこそが根幹となる作品である。
駄弁ってないで仕事しろとか部活しろとか、これでもう言われる謂れなどなくなったーー!!

と、単なる新機軸というだけならここまでハイテンションにはなりません。全然なりません。
何をここまでうっはうっはのあげあげ状態になっているのかといえば、成り果てているのかといえば!
比嘉智康(敬称略)が本気出したー^ーーーー!!
デビュー作であるところの【ギャルゴ!!!!】の時点でそのエキセントリックで独特すぎる惚けた会話のテンポやセンスにはなんどもひっくり返されたものだけれど、本格的に益体もないお喋りを主体とした作品として打って出てきたこの【神明解ろーどぐらす】は、【ギャルゴ!!!!】のあれが霞んで見えるほど、突っ走りに突っ走った出来栄えだった。
いや、ぶっ飛び度に関しては【ギャルゴ!!!!】の方がアレだったんだが、より洗練されてきたというべきか。ぶっ飛びすぎてちょっとハズしすぎていたような部分が修正され、見事にそのお喋り部分を純粋に楽しめるように強化カスタマイズされてきたとでも言うべきか。
正直、センスが飛びすぎててちょっとついて行けない所があった【ギャルゴ!!!!】に対して、こちらの【神明解ろーどぐらす】はかなり取っ付き易くなっているように思える。それでいて、単純に登場人物たちの掛け合いを楽しみ、笑い、ニヤケさせてくれるという意味においては掛け値なしにパワーアップしている。
【ギャルゴ!!!!】も良作だったけど、これは予想を遥かに超えて化けた!!


下校に掛ける熱い男、池田十勝。ネガディブハッピー思い込み暴走少女の千歳キララ。自称超絶美少女のナルシスト丹下まりも。ロリロリポジティブカメラ小娘富良野咲、通称さきっぽ。
高校入学式の下校時にデパートの催事場で偶然知り合った奇天烈な四人組が織りなす楽しい楽しい下校ライフ。
一緒に帰るための待ち合わせ場所を決めようと真剣談義。寄り道に足を伸ばしてみんなでプール。雨降りの日の相合傘騒動。帰り道のジャンケン荷物持ち。
学校が終り家に帰るまでの、どこか心浮き立つ隙間の時間。
どれもこれも、読んでて楽しくて仕方ない。いいなー、こいつらいいなーー♪

うーん、やっぱりキャラのインパクトが凄い。まずもって最初に登場した千歳キララの存在感がパねえ。基本常にネガティブに物事を考え、自分に自信が欠片もなく、どちらかというとおどおどとした性格のキャラなのに、暗い印象は全然ないんですよね。常時軽度に暴走しているからか、むしろ弱気なのに押しが強いようにすら見える。言動もエキセントリックで自己完結していて、とにかく素っ頓狂で面白い。思考がダウナーすぎて、下降線を辿るどころか一回転して変な方向にふわふわと飛んでいくんですよね。
「さきっぽよ。よく考えてみてほしい。例えば十勝と安易に相合い傘をした結果、望まれない子供を授かることだってあるだろ」

みんなちょっと置いてけぼりにされるんだけれど、鬱陶しがったり引いたりせず、自然にふわふわと飛んでいく千歳を待て待てと追いかけて捕まえてくれるので、千歳の思い込みによる思考暴走も、わりと安心して見ていられるんですよね。
まりもも出てきた直後は自己中で自意識過剰で扱いにくそうな娘だと思ったんだけれど、話が進んでくると同姓の女の子には優しく親切で、ナルシストだけれど決して嫌味な人間だったり、他人を嫌な気分にさせるような娘じゃないとわかってくる。
それどころか、プール編では妙にしおらしくて繊細な女の子らしい側面を見せてくれて、一気に株価上昇中。
何気に、着実にラブコメしているのも好感触。というか、かなりニヤニヤしっぱなしだったんだが(w
妙なところで勘違いしまくって、十勝のことを意識しまくり思考をどんどん暴走させていく千歳の可愛いこと可愛いこと。
「出来るならロボットアニメみたいなことを十勝としたいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめている状態じゃないから」
迂遠、遠回し過ぎる上に否定形で締めとは、心がグルグルしすぎだよ(笑
第五話でラブレターの件を知った途端、テンパって十勝に変なアプローチをしてくるまりもやさきっぽも、これ完全に十勝のこと意識してるんだよなあ。特に、まりもはプールの件でかなりグラッと来てる節があったし。
今のところまださきっぽについては特定個別イベントはない状態なので、まだまだなんにも始まってない状態なんですけどね。最終話で4月終了だから、まだ知りあって一ヶ月立っていないわけだけれど、この四人の息の合ったやりとりは、読んでて本当に楽しかった。
いやもう、まじで面白かったーー!!
全力全開で、これはオススメ。推薦図書。
これなら、【僕は友達が少ない】と二枚看板で押し出しても全く遜色ない、というかこれはプッシュすべきでしょう?
絶賛です。おすすめーー。