白銀の城姫(ベルクフリート)〈2〉 (MF文庫J)

【白銀の城姫(ベルクフリート) 2】 志瑞祐/上田夢人 MF文庫J

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岐阜城はどうしたーー!(笑
一巻の後書きを真に受けて、極東から遥々海を越えて来たりし岐阜城の城姫の登場を今か今かと待ちわびてページをめくっていたら、とうとう最後まで出番の気配もなかった件についてw
ちょっちガッカリしながら後書きに目を通したら……ちょっ、岐阜城ーー!?(爆笑
海を越えれてない、越えれてないよーー! 沈んじゃ駄目だーー!
作中外でいったいなにが起こってるんだ? 何かしら無いところで途方もない冒険が繰り広げられているような気配があるんだが。
イゼ子とかはさすがに冗談とはわかるんだが、岐阜城については結構本気で期待してるんだけどなあ。

ひとつの伝説があった――崇高な建造物にのみ宿ると語り継がれる存在、<城姫>。城姫の加護を得た城砦は難攻不落。千の兵をなぎ払い、万の軍を打ち倒す ――。偉大なる建築士、マイスター・ストランゼンのただ一人の弟子リンツ=レンハイトは消えた師匠の手がかりを求め、<城姫>の少女シャトレアとともに、ジャンヌダルク祭に沸き立つ街ランスをおとずれる。しかし、街では小さな女の子を狙った誘拐事件が多発していて――。ランスに逃げ込んだという最悪の殺人鬼、それを追う<銀時計の騎士>の少女、シャトレアを狙う謎の<城姫>、陰謀渦巻く城ファンタジー第2弾!


主人公のリンツ、師匠と生き別れたあとは幼馴染のエリッセと二人きりで助けあって生きてきた、という経歴のせいか、何気に女の子に対する姿勢が甲斐甲斐しい(笑
シャトレアって、プライド高いわ堅物だわとけっこう難しい性格をしていると思うんだけれど、リンツはこれ、上手く付き合ってるわ。本人は特に意識してないのが心憎いところだけれど、自然にシャトレアの女心を擽って機嫌よくさせてるんですよね。リンツくん、別段気が利いたりするタイプには傍目には見えないんですけどねえ。その分、嫌味じゃないのか。
自分は城姫なのである! と一生懸命背筋を伸ばして気をはっているシャトレアだけれど、女の子扱いされてついつい喜んでしまっているあたりは、この娘も案外と易い、というか背伸びをしているのか? 彼女が自分が城姫であるというのに拘るのは、本能からくるプライドというよりも記憶喪失でアイデンティティが不安定になっているなかでの拠り所としているからなのかもしれないなあ、これは。


魔術(?)も、建築系の建奏術だけじゃなく、錬金術や彫刻にまつわる術式もあるとなると、技術職、職人系のマイスターにはすべからくその職能に応じた魔術式が創造されてるんだろうか。
実在する城塞や建造物にまつわる城姫というだけでも面白いのに、これだけ職人系の魔術も多種多様に存在すると言うのは、読んでて非常に面白い。
今回の敵となる城姫は、完全に戦闘要員で物語に関わってくる存在じゃなかったのが残念だけれど、それでも彼女は彼女でまた有名な建造物の城姫で。なるほど、そういうのもアリなのか!
同時に、この時代における当該建造物の現状というのがなかなか衝撃的でもあった。なるほど、この時代、古代ローマ時代の建造物っていうのはそりゃ、大事にはされないわなあ。

この作品のもうひとつの面白い注目点は、これだけ城姫や魔術めいた術式が表舞台に確固として存在しているファンタジーな世界でありながら、同時に忠実に歴史が史実をなぞっている物語でもあるんですよね。ジャンヌ・ダルクや青髭公といった歴史上の人物がそのままの名前で出てきていますし。ただ、これは確かに異世界の話でもあるんですよ。歴史上の偉人たちの経歴の中には、城姫や魔術がしっかりと絡んできており、その真実の姿は自分たちが知る現実の歴史とは微妙に違った形になっているわけです。そして、それはリンツとシャトレアが生きている時代についても同様。十六世紀〜一七世紀における歴史上の人物の躍動が、暗躍がそこかしこで見受けられるのです。
鉄仮面にしても、恐らくはかの有名なあの人物その人だろうし、三銃士の名前もちらっと見えましたしね。


どうやら次回以降、またエリッセが合流してくるみたいなので、ラブコメ的にも一波乱あるのかなあ。個人的にははやく岐阜城を何とかして欲しいw


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