ケルベロス 1 (少年チャンピオン・コミックス)

【ケルベロス 1】 フクイタクミ 少年チャンピオンコミックス

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熱い! 熱い熱い熱い熱い! その血潮は燃えたぎる炎熱のごとし。これぞ直球直球、ど真ん中のストレート! だがしかし、その真っ直ぐはバットにカスリもしない、わかっていても打てない豪速球!! まさに火の玉ストレート!!
昨今、これほど衒い無く小細工無く理屈抜きで熱い少年漫画があっただろうか。ハンマーでぶん殴られたみたいな衝撃だった。これは最新にして最高たる原点だ。

高校1年生の十三塚景に不測の事態が発生!! 崩(くずれ)と呼ばれる化物が幼なじみの友恵を襲う!! 友恵を守る方法はただ一つ!! 化物・狗骸(くがい)と悪魔の契約を交わし、墓守へと変貌することだった…!!
人魔フュージョン墓守戦記、開幕!!
絵はまだ未熟、キャラの造作などまだ安定せず崩れている部分が多々見受けられる。だけどね、これはヘタクソじゃないんだ。違う違う、これはそういうのとは全然違う。これは、言わば「まだうまくない絵」だ。恐ろしいまでに過程の真っ只中にある絵だ。見てろ、これは直にびっくりするくらいメキメキと絵柄が変わってくるぞ。既に方向性は定まってる。喜ばしいことに、定まってる。めんたまかっぽじって見てるがいいさ。

しかしなるほど、これをして【うしおととら】を思い出す、という人がおおいのもよくわかる。シチュエーションはよく似ているものな。いや、シチュエーションというよりも、うしとらの初期にあった、あの伝奇モノとしての空気感に、この【ケルベロス】の作品が内包している雰囲気がよく似ているのだ。
ただ、もちろん主人公の景と、彼の相棒となる狗骸・雪房の性格付けは大きく異なっているし、その行動原理、ヒロインとなる友恵との関係性などはまったく異なっている。特に景の主人公としての在り方のパワフルさは、近年では稀に見る歪みのなさ。わかりやすい鼻につく正義感ではない、それはこの少年特有の揺るがぬ理念であり、自己命題なのだ。それが彼を突き動かしていく。
その単純明快さが、胸のすくような思いに打ち震わせてくれる。なんて心地のよい熱量だろう。
またぞろ、有望な作品が出てきたものだ。これは注目して追っていきたい。