Landreaall 16 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 16】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

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リゲインが【折れ剣】と呼ばれるに至った理由。アルトニア王不在のわけ。明かされる「革命の真実」。
それを知ることで、DXが立たされる岐路。
DXは、まあアカデミーに通うようになり、自分の立場を否応なく自覚するようになってからずっとなのだけれど、DXは自分がどうするべきかを深く真剣に考える。考え込む。
なんと言っていいか、一連の流れを個々に細かく抜き出して語るのは、どうも本質からズレてしまう気がして気が進まない。もっともこれはLandreaall全体に言えることなんだけど。
細かい部分を語るとマクロな部分が食い違い、マクロな部分に焦点を当てると、ミクロな部分が疎かになってしまい、結局言いたいことがズレてしまう。正直、この物語から得たものを出力するためには、すべてのセリフを抜き出し、すべての作画を描いて見せるより他ないのかもしれない。それはすなわち、この漫画そのものを読む以外に、この読んだ感想を伝えきる方法が思いつかないということだ。
この作品を語ることに、私はいつもいつも自分の力不足を痛感させられてしまう。感想という形で再構成し、要約してこの感動を伝える力が、どうしても足りないのだ。
DXの思索、リドとの会話、ライナスの理想、リドがたどり着きDXと共有することになる想い。この静かな流れから育まれていくDXの意志、理想の美しさに思わず流してしまった涙の内包する感動を、どうしても表現できない。語る言葉が思い浮かばない。
私はこの作品を咀嚼できず、ただ在るが儘、そのままに飲み込むほかないのだろうか。そして、この心があふれんばかりに満たされる感覚は、至福、そして悦楽以外の何ものでも無い。
彼らが語る言葉には何一つ難しいものはない。彼らは常に率直に胸の内からこみ上げてくる言葉を、わかりやすく語りかけてくる。それらは常に本質を突き、明快に彼らが感じている想いを伝えてくる。
だが、それは明瞭でありすぎるがゆえに、率直で本質に近すぎるがゆえに、総括のしようがないのだ。あまりに多くの深い意味を含み、わかりやすいがゆえに、何かを添えるだけで別のものに変質しかねない。テンプレートなど考慮にも入れない生の声は、本人が消化しきれていないものすべてを内包している。
わかりやすいがゆえに、するりと滑り込んでくるすべての理解を、その大きさゆえに感覚を持って受け止めるしかないのだ。

とにかく、内容について詳しく書こうとすると、途端に自分がひどく陳腐なことしか書けず、この作品が描いているものの何も伝えられないことに愕然としてしまう。違う違う、そうじゃない。それだとまるで違う。何かがズレている。そういうことじゃないのだ、と言うふうに頭を抱えてしまう。
今回みたいな話の時は特に、だ。
分かっている、伝わっているつもりなのに、それをまったく消化しきれず出力できないこのもどかしさ。今回については、まさにこれが感想としか言い様がない。正直、なんにもまとまらないし、まとまらないものをそのまま曝け出すには、この巻の話は素晴らしすぎて、もう絶対嫌だ。抵抗があるどころの話じゃない。嫌だ嫌だ。でも、ほんとうに素晴らしい話だったと言うのは伝えたい。知って欲しい。
とにかく、それぐらい、なんかこう、ぶわああああっ、と来る話だったんだ。ええいっ、もう、全部擬音で表現した方がどんなのか正確に伝わるんじゃないか?(苦笑
場末とは言え文筆を嗜むものとして、悔しいなあ。それ以上に、こんな至高の傑作を読めることそれ自体が、幸せすぎると言えるのかもしれない。こんな恍惚とした気分を味わえるのは、一念の中でも数えるほどなんだし。
呆れるほど内容について一切触れなかったけれど、今回ばかりは許して欲しい。ちょっともう、無理でしたw


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