ほうかご百物語〈8〉 (電撃文庫)

【ほうかご百物語 8】 峰守ひろかず/京極しん 電撃文庫

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妖怪達を一掃する“祭り”が始まる!? 僕らの放課後が大ピンチなのですっ!

 ある日、僕の前に現れた未来を予言する妖怪アマビコ。彼は、“絶対にはずれることがない予言”をする妖怪だという。そんな彼が僕に告げたのは、もうすぐ妖怪たちを一掃する祭り“大祓(おお はらえ)”が始まるということだった! その祭りは、妖怪はもちろんのこと、彼らに深く関係した人間たちをも一掃してしまう危険な祭りだというのだが ──? 
 放課後ライフを守るべく、行動を開始した僕らの運命は!? ピュア可愛いイタチさんと僕の放課後不思議物語、第8弾登場ですっ!!
この学校の生徒はどいつもこいつもキャラ濃いなあ、という類の発言をこれまでもなんどもしてきたわけですが、今回、怪異に悩まされて美術部に相談に訪れた気の弱そうな大人しげな一般女生徒Aさんが<蟷螂拳>の遣い手と発覚した際には、この学校、モブまでこんなんかよ! と思わず叫んでしまった【ほうかご百物語】。
モブでこれだから、メインや準レギュラーを張る連中のキャラの自己主張の強さは如何ともし難いものがある。そんな濃いキャラが、過去登場してきた連中含めてオールスター総出演の大活劇。いやもう、あれ、こんな人まで!? というくらいに総登場なのである。これは盛り上がる。
惜しむらくは、コッチ側の連中が濃すぎたお陰で、今回の敵となる先触れの連中がキャラ負けしてしまっていたところだけれど、ほうかご百物語のメンバーはぶっちゃけ敵が弱かろうが強かろうがキャラが濃かろうが薄かろうが、自分たちの間で勝手に大騒ぎして自己完結で勝手に盛り上がってくれるので、実はあんまり関係なかったりするんですよね。今回も単純に味方の人数が普段よりも多い総出演状態だから余計に賑やかになってただけ、という節もあるし。
それ以上に、あっちゃこっちゃでラブ旋風が吹き荒れて、恋の花道春爛漫ってな勢いだったので、なおさら敵さん関係なく身内で盛り上がっちゃってたしなあ。元々ラブラブのカップルはさらにラブラブに、カップル成立以前の組はここでカップル成立か殆ど出来ちゃってるくらいまでいっちゃいましたしね。
メインとなる奈良山と輝さんの恋物語は、クライマックスで輝さんが見事に気持ちのいい啖呵を切ってくれましたし。
ちょっと意外だったのは滝沢さんのところが三角関係になってしまったところか。いや、滝沢赫音嬢は、並みいる女性陣の中でも屈指のスペックの高さを誇るもんなあ。家事生活能力に実直な性格、難物をあしらえる対人コミュニケーション能力といい、なんだかんだと色々変な所のある他のキャラと違って隙がないし、新井輝と双璧を為すんじゃないだろうか。この子はモテモテになって然るべきだよ、うん。
男縁がなくって、ちょっと寂しそうだった鱗さんにも、今回なんと驚きのお相手が現れて安心しましたよ。この人はまさかっ、でしたけど、言われてみるとなるほどと納得のお相手なんですよね。相性的にも、鱗さんみたいなタイプには同年代や年下よりもこういうタイプの方が合ってると思うんですよね。鱗さんもついに旦那卒業か。その現旦那である江戸橋生徒会長も、いつもは素っ気ない態度しかとってくれない経島御崎が、今回に限っては珍しく、というか初めてじゃないのか? というくらいにラブラブっぽい態度を垣間見せてくれる永久保存必至の回でもありました。そう言えば、カップル歴が一番長いのはこの二人なんだよなあ、という事実を初めて実感できたような。この二人、だれも見てないところではもしかして相当アレなのか? と、どうやらキスとかし慣れている様子から勘ぐってしまう。実は作品観ぶっこぬいて、こいつらだけ大人の仲間入りまでしてるんじゃないだろうなww
そして、これがエロゲーとかだったら明らかにシーン回想行きだったと思われる、メインヒロイン・いたちさんと白塚真一の恋模様。いや、あの流れだと深夜アニメでも朝チュン展開になりかねなかったぞw
いたちさん的には覚悟完了まではしてないけど、流れ的にはそうなってもいいかなあと思ってる節があったのだけれど、真一がなあ、いたちさん好き好き大好き超愛してるくせに、わりと肉欲は薄いんだよなあ、こいつ。いや、肉欲が薄いんじゃないんだろうな、これは。単に、躾がきいているだけか。
まあ、この二人は鉄板どころか戦艦の装甲板なんだから、もう関係の進展は時間任せでいいじゃない、と諦め混じりに思ってたら………ラストにでっかい進展きたーーー!!
関係の進展では全然ないんだけれど、これは劇的なまでの環境の進展でありますよー。こうなったらいたちさんは覚悟決めて自分から動いた方がいいんじゃないだろうか。真一、完璧に躾けられたワンコだから、どれだけ飢えてヨダレ垂らしてても、飼い主が「よし」って言わないと絶対
襲いかかってこないだろうし。

なんだか伏線も人間関係もぜんぶ解消しちゃうような怒涛の勢いに、まさか最終回じゃないだろうなと危惧したものの、どうやらちゃんと今後も続きは出てくれるみたいなので安心した。でも、これだけカップルできちゃうと、今までいたちさんと真一だけでも団扇が必要だったのに、作品内の平均気温が随分上がりそうだなあ、これ。いたちさんと真一のラブラブ放課後ライフも、放課後どころじゃなくなっちゃったし。ああ、アツいアツい(笑

追記:最初の頃と違って、最近は稲葉先生がちゃんと九尾としての圧倒的な格を見せてくれるのが嬉しい限り。それと前巻の感想で全身像見たい見たいと要望していた獅子岩アルマが、きっちりカラー口絵で登場してくれましたよ。ご馳走様でしたww

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