10歳の保健体育 (一迅社文庫)

【10歳の保健体育】 竹井10日/高見明男 一迅社文庫

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よしっ、燃やして浄化しよう!!

誰だ、竹井10日に本気出させたのは!? 完全に秋桜入ってるじゃないかっ、ダメな方向に全力全開弾けちゃってるじゃないかっ! 東京皇帝が実はアレでまだ清楚で控えめではにかみ屋さんな竹井10日だとバレちゃうじゃないかっ!
【秋桜の空に】をリアルタイムで体験なさった世代の皆様ごきげんよう。10年来の衝撃と申しましょうか、あの心底どうしようもねえなあという竹井10日氏が帰ってきてしまいました。もう本当にどうしようもねえ!!
しまったなあ、この人本気になるとちょっと引くくらい下品になるんだった。すずねえシナリオでドン引きしたのも懐かしい思い出よ。
すずねえといえば、この作品、すずねえとしか思えないようなひどいお姉ちゃんがいますよ!? 存在してしまってますよ!? うわぁ、でたっ、伝説の<ダダ甘お姉ちゃん>!! この超絶甘やかしの甘やかしレベルは常人では理性を保ったまま受け止められないであろうだだ甘っぷりと、主人公の敢然としたダダ甘えっぷりは、やはり他に類を見ねえ、というか見てたまるか。
そもそも主人公が完全に臣くんのレベルに到達してしまってる究極のアホ。ああ、懐かしいなあ。十年近く前はこの手のおバカが一杯いたんだよなあ。ONEの折原浩平とか、秋桜の新沢靖臣とか。平素から簀巻きにして吊るしておかないと何をしでかすか分からないタイプ。ついでに猿轡もしておかないと延々とアホなことを言い続けるタイプ。
その影響を幼少児から受け続けて完全に可笑しくなってしまってるのが、お隣の幼馴染・似鳥翠蓮。親の選民教育と主人公の静姫の幼年期からの調教で、完全にキャラがおかしくなってるよっ! 魔改造されすぎだよ、この幼馴染っ!! はみるへの丁寧な接し方を見る限りは根っこは優しく世話好きで、普通に育てば気立ての良い快活なみんなに人気のお嬢様になっていただろうことが容易に想像できるだけに、このどうしようもない方向にカスタマイズされまくって原型失ってしまっている有り様には、涙が止まりません……笑いすぎてお腹痛いww
これ、もう静姫以外じゃ引き取り手ないでしょう、無理ですよ。マジでこれは責任をとらないといけないレベルだと思います、静姫ちゃんがこんなにしちゃったんだから(苦笑
話聞いているとつい最近まで普通に付き合ってたみたいだけど、なんで別れたんだろう。その辺の理由とかは結局出てこなかったなあ。現状、別れた気まずさなどは殆どなく、恋人並みにべったりしているのを見ると、理由がわからなくて首をかしげてしまう。あれか? 付き合っている間、相当サルみたいにやりまくってたみたいなので、その辺の冷却期間を置きたかったからとか。どうも思春期特有の性欲への好奇心優先で恋愛感情は後回し、みたいな部分もあったのかもしれない。そこを拗らせて関係が破綻する前に、一旦もとの幼馴染の関係に戻して仕切り直し、としたところか。傍からみると、エッチしてない以外は付き合ってるとしか見えないような関係だもんなあ。……いや、この二人の破天荒なキャラクターを普通人の視点で解析しようという事自体、なんか盛大に間違ってる気分になるけど。

そんなこんなで、もうどうしようもないキャラばっかりの中で唯一と言っていいほど精錬でまともで理性的で常識的なのが、表紙を飾る十歳児のはみる嬢。この作品唯一の良心と呼んで崇め奉らないといけません。この子がいるといないとでは、読了時の汚染度が覿面に違ってくると思われます。一人だけ世界観違うんじゃね? というくらいにまともです。
まあそのお陰で翠蓮にキャラ食われちゃってる卦もあるんですが。翠蓮のキャラが濃すぎるんでインパクトで負けてしまうのは仕方ないんですけどね。従兄弟の綾ねえも、後半飛ばしてくるからなあ。
さすがに十歳児にいけないことをしてしまうような、アレな内容でなかったのにはまあ一安心というか、緊張の糸がほぐれたと申しましょうか。そのへん、この作者一切信用できなかったからなっ! と、額の汗をぬぐって気を抜いてたら、ぐあああああああ!(笑
だから、そういうドン引きするような下品なのはやめときましょうよマジで(苦笑
ある意味正しく保健体育なのかもしれないけど、シチュエーションが発狂しすぎだから、ね?

にしても、本当にハッチャケちゃったなあ、と読んでる間じゅうは悶絶するほど大笑いしながら冷静になると笑顔がひきつってくるこの感覚。事前の予想とは違ったベクトルだけれど、いけないものを読んでしまったと思わず目を逸らしたくなるこの感覚。
やばい、クセになるかもww
いやでもこれは、相当人を選ぶよ。ドン引きする人続出じゃないかしら。その分、ウケる人にはウケまくると思いますけど、エキセントリックすぎて話題にはなっても潮流に乗るタイプかどうかはまだちょっとわからんなあ。シチュエーションやシナリオ云々じゃなしに、完全に竹井10日さんの濃ゆさに特化した作品ですし。
どうやら続きも出る、というか出したいみたいなので出るんだろうな、出ちゃうんだろうな。期待することに何故か後ろめたさがジワジワと湧いてくる不思議(笑