コップクラフト2 (ガガガ文庫)

【コップクラフト 2.DRAGNET MIRAGE RELOADED】  賀東招二/村田蓮爾  ガガガ文庫

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サンテレサ市警に正式赴任したセマーニ人の美少女ティラナ。彼女の相棒となった敏腕刑事ケイ・マトバの日常は、手際よく行っていた犯罪捜査も、猫と静かに暮らしていたプライヴェートも、何もかもが一変してしまった。しかしサンテレサは異世界への入り口、超空間ゲートと繋がる玄関口にあたる『夢の街』──地球人類には理解不可能な特殊犯罪が続発している! 吸血鬼やらポルノ本窃盗団やら大忙しのポリスアクション、第2弾! 

一巻は異文化の衝突や血生臭い事件というのもあって、殺伐としたシリアス一辺倒のハードボイルドな刑事モノの映画っぽかったのですが、一転してこの二巻ではティラナとマトバの衝突も異文化ゆえのぶつかり合いも、お互いに信頼が醸成されているせいか、コメディチックに繰り広げられる。乱暴で手加減も衒いもない口喧嘩も、前は本気で相手を否定しにかかり、敵視と毛嫌いを交えたやりとりだっただけに、見ている方もハラハラし通しだったのだけれど、言い合っている内容はさほど変わらないのに、胃が痛くなるどころか、仲がいいねえお二人さん、と思ってしまえるのは面白いものだ。相手を認め受け入れた上での本音のぶつかり合いというのは、気のおけないやりとりというものになるのだろう。
尤も、ティラナは単なる仕事上の相棒関係というだけでは満足し切れなくなってきている節もある。はっきりと態度や言葉でケイに自分のことを認めて欲しいと欲する気持ちは、対等以上を欲する気持ちにつながるのではないだろうか。
まあ、ケイは普段からティラナのことを子供扱いして反省しないし、遠慮もなくちょっとした労いの言葉も寄越してくれない気遣いのなさは、ティラナとしても不満が募っちゃうんだろうなあ。ケイの性格からして、いちいち心配や労いの言葉をよこさないってのは、最大級の信頼をいだいている証左でもあるとおもうんだけれど、それは不器用な男の独りよがりなんだろう。こいつが猫しか家族のいない独身なのは、きっとそのせいなんだろうね。実際、ケイってけっこうモテる、というか気にしている女性は多いみたいなのに。

ただ、それだけ男臭い大人の男性なだけに、見てくれの幼いティラナってとてもじゃないけど恋愛対象になりそうな気がしないんですよね。実際、ケイはティラナに亡くした妹の影をみているみたいだし。Z文庫の頃のムチムチバディのティラナだったら、同居していると色々と対外的にも男としてもマズい、というのはよく理解できたんだけど、今のちっちゃいティラナだと別に一緒に住んでても大して問題にも思えないんだよなあ(苦笑
今度、ティラナにちっちゃいなりの女の艶というものをもっとだしてもらわないと、ラブコメ的にははっちゃけられないんじゃないだろうか。少なくとも、子供はコウノトリが連れてきてくれるのー、というレベルの無垢な意識しかないようじゃあ、ねえ(苦笑

キャラクターも、一気に脇を固める連中が充実してきている。一番目立っているのが、新任の上司のジマーだけどね。こういう、口汚くガミガミうるさく厳しいけれど、辣腕で上におもねらず部下たちがやりやすいように尽力してくれる上司ってのは魅力的だよなあ。
元恋人のセシルはなんかティラナと意気投合してしまったけど、これはよかった。ティラナって何だかんだとまだケイしかまともな付き合いのある地球人がいないわけで、何かと孤立しがちになっちゃうんですよね、どうしても。そこに、ちゃんとした女友達ができてしまえば、そっからセシルだけじゃなくてコミュニティも広がってくるだろうし、とりあえずは警察内部だけではあっても、ケイとティラナだけの閉じられた物語じゃなく、チームとしての話を作っていけますしね。同僚たちもなかなかのクセモノぞろいだし、Z文庫は二巻で終わっちゃったんですけど、幸いこっちは以降も続き出してくれるみたいだから、期待しております。フルメタも終わるから、余裕は出来るはずだし、もっとどんどん出てくれたら嬉しいなあ。

1巻感想

旧版2巻感想。きぬた氏が賀東さんの別名義と知らなかったので、かなり(私がw)見るに耐えない、恥ずかしい感想になっております(苦笑