羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

【羽月莉音の帝国】 至道流星/二ノ膳 ガガガ文庫

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ああ、これはなるほど! オススメいただいて読んでみたんだが、うん、面白いッ。
このビジネスというテーマは意外と今まで手を出す人が居なかったんだな。漫画だとわりとあるんだが、ライトノベルだと今まであまり見たことの無いジャンルなだけに目新しさがある。いや、それだけだとやっぱり地味になっちゃうんですよね。そこを、地道な商売ではなく非常に攻撃的で智慧を駆使した果敢な商戦を仕掛けることで、後半、特にTOBに入ったところからうなぎのぼりに物語が面白くなっていくのだ。
しかし、ほんとに盲点だったんだな、ビジネスジャンル。【狼と香辛料】で商売の話もいけるというモデルケースが既にあり、さらに【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら】(正確には経済小説と言えるのか微妙なんだが、経営マネジメント本ではあるので)がミリオンセラーになっているように、決して売れない路線ではないと思うんですよね。筆者は実際に本業は会社経営者だそうなので、リアルなところはリアルに、ハッタリをきかせるところはきかせて、と虚実を正確に把握した上でちゃんと制御してくれそうなので、その意味でも安心できるし期待もできる。
ただ、キャラクターに関しては、これはちょっと残念としか言えないなあ(苦笑
掛け合いにしてもラブコメにしても、ワンパターンの繰り返しになってしまっており、日常パートだけ見るなら、十把一絡でズブズブと埋没してしまいそうな程度。これならいっそ、日常パートを廃して全編渦中に放り込んでもいいんじゃないか、とすら思う。
逆にいうと、このくらいのキャラでありながら、後半ゾクゾクするほど面白くなる、というのは純粋に話の筋立てがキャラを無視して盛り上がってるって事なんですよね。これはなかなか凄いこと。
正直、序盤の展開はトントン拍子すぎて都合良すぎるんじゃないか、とウサン臭さすら感じてたんですけどね。でも、終盤の引きの強さを観てしまうと、この筆者の本領はご近所でチマチマやってるよりも、社会全体を巻き込むくらいのスケールになってからなんだろう、と思わずにはいられなかった。
ということは、これから面白くなる一方ということか。
とりあえず、楽して金儲け出来ないというのはわかったw どんな金額の規模だろうと、とりあえずは死ぬほど働かないと駄目だな、こりゃw