氷結鏡界のエデン4  天上旋律 (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 4.天上旋律】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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最近はアレですな、男のツンデレくんが大流行ですな!(笑
男の娘の流行といい、色々とこう、ねじれてきている気もするけれど、男の娘も男のツンデレも前から在るといえば当たり前にあるものなので、今更と言えばいまさらか。
というわけで、華宮の推薦というか強引な勧誘によって、四人目のメンバー、ヴァイエル・バッハベルが隊に参入し、これで隊の基本人数である四人が揃った。一応、これが基幹メンバーとなってこれ以上は増えないはず。隊以外の登場人物もかなり多いし、まだ名前だけ出て未登場のキャラもいるのですしね。
しかし、なんというかまた……主人公が属するチーム、恐ろしく個性的な面々が揃うのは珍しいどころか王道なくらいなのだけれど、みんながみんな、四人とも全員がそのベクトルは違うとは言え真面目くん揃い、というのは珍しいなあ。華宮は相当ズレてるけど、うん。でも、あの娘もちょっとマッド入っているけれど、人間関係や任務に対して生真面目なのは間違いない。新キャラのヴァイエルも、意固地でひねくれ者だけど恐ろしく律儀で頑固で堅物な生真面目くんだったしなあ。そして言わずもがな、隊長のモニカはと言えば杓子定規なくらいの生真面目の標本みたいな人……あれれ? むしろシェルティスが緩くすら見えてきたよ?(笑
イリスというお調子者の相棒がいるとは言え、何気に場を和ますボケツッコミ要員になってるし、主人公のくせに(笑
背負っているものや信念の重さに比べて、シェルティスが内向きに悩み沈んでしまわない明るさを持っているのも、大きなポイントなのかも。シェルティスも非常に真面目くんなんですけど、その真面目さで自分を自縄自縛してしまうタイプじゃないんですよね。意外と開き直って前向きに突き進んでいくタイプというのは好感が持てる。今回だって、突出した実力と他者との連携の経験不足によって、チームワークが上手く取れずに実力を鈍らせてしまうという行き詰まりにあたってしまうのだけれど、それで悩んで落ち込んでしまわず、積極的に克服していこうというあたり、目的であるユミィのもとに辿り着くために一途であるというべきか、精神的にタフというかメゲないタイプというか。なんにせよ、必要以上にウジウジしないのはいい事ですよ。
そんな彼に身近な女の子たちから好意を寄せられるのは、必然といえば必然なのか。まあ、今のところは露骨な接近はまだないんですけどね。シェルティス自身、ユミィ一筋だし、そもそもこの作者さんってハーレム志向よりも個々のキャラにカップリングを用意するタイプですしね。とはいえ、華宮があれほど積極的にヴァイエルに御執心とは思わなかった。お嬢さん、あんたのそれはもろに一目惚れの恋じゃありませんですか(笑
うわぁ……なんか一途だ。まだその感情に自分で意味付けを行っておらず、湧き上がってくる想いに真っ更なまま突き動かされているので、完全に白無垢な恋心は綺麗なことこの上ない。それが恋だと自分で意識したとき、いい意味でいろんな色に染まってくるんだろうけれど、この無垢な真っ直ぐさはヴァイエルからすると、……対処の仕様がなくて困るよなあ。そもそも人間関係あからさまに不器用そうだし(笑

世界観の方も、この閉ざされた世界の始まりとも言うべき過去の一端にユミィが触れ、そこで遭遇する謎の人物たちの正体も垣間見えると同時に、ユミィに課せられた責務とシェルティスに宿った魔笛の力の関わり、第七天音律に至るもの。色々なものが見えてきて材料はばらまかれつつあるのだけれど、また全体像は遠いなあ。前シリーズを想起させる単語が次々と出てきているのも、「黄昏色の詠使い」シリーズとの関連をどこまで示唆しているのか。
まさか「ジルシュヴェッサー」の名前まで観るとは思わなかったもんな。その称号持ってるだけで、未だ未登場でどんなキャラかも描写されていないにもかかわらず、ああこりゃいろいろな意味で手に負えない奴だな、と思ってしまうのはなぜだろうw