東京レイヴンズ2  RAVEN゛s NEST (富士見ファンタジア文庫 あ 2-5-2)


【東京レイヴンズ 2.RAVEN゛s NEST】 あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫

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北斗との別れ、幼なじみの少女・夏目との約束を経て“レイヴンズ”を育成する学園、東京にある陰陽塾へとやってきた土御門春虎。しかし春虎を待っていたのは思いがけない再会だった!? 時を超える陰×陽ファンタジー!

こ、このガキゃあ、自分でも知らないうちにあっちこっちでフラグ立てまくってるじゃないか(笑
そういう小器用な、色んな女の子から好かれるようなタイプではないと思うんだけどなあ、春虎は。まあ、倉橋京子は今のところフラグが立ってるだけで、実際に春虎の方を振り向いているわけじゃないから、これはこれでいいのか。明らかに、あとで多重錯誤がひっくり返るパターンではあるんだけど。
一巻で登場した鈴鹿は、あれはかなり怪しいですよ。再登場したときは、春虎は色々覚悟しておかんと。

というわけで、スクールライフ編である。何気に、あざのさんの作品でまともな学生生活ものって初めてだよね。Dクラは殆どドロップアウトしていて、マトモな学校での生活は描かれなかったし。デビュー作は禁酒法の時代、前作は世界規模の吸血鬼モノだったわけですから。ある意味新鮮だなあ。
新鮮といえば、むしろ夏目のキャラクターが新鮮だよ(笑
一巻で、彼女には色々な顔があることはわかっていたけれど、この学園での土御門夏目は北斗とも春虎の従姉妹である夏目とも違うキャラクターになってるんですよね。北斗っぽいかというと、ちょっと違うかんじだし、素顔の気位が高いけど楚々とした女の子らしい夏目とも違う、両者がうまいことかき混ぜられたような新しいキャラクターとして成立しているものだから、馴染みの夏目、春虎、冬児の三人のトリオなのに、陰陽塾という新しい場所も相まって、何とも新鮮な気分で三者のやりとりを見ていられるのは面白かったなあ。
土御門の名前を持ちながら、陰陽師としては完全にど素人で、色々と仕出かす春虎にやきもきする夏目に、逆に感情高ぶってテンパってる夏目の乱行に頭を悩ます春虎、そんな二人を脇からニヤニヤと眺めながら、何くれとなく卒なく救いの手を差し伸べる冬児。
そこに、春虎を出汁にして夏目に突っかかる倉橋京子に、お人好しのクラスメイト天馬。そして、父親から春虎に送られた式神・コン。なかなか賑やかなメンバーになってきたじゃないですか。
正直、今回の事件は敵さんも小物であんまり盛り上がらなかったけれど、ここで物語が広がっていくだろう舞台がどんなものか、様々な伏線も散りばめられ、始まる準備は整ったって雰囲気は伝わってきて、うん、これは先が楽しみだ。

しかし、ほんとにまだ始まる準備が整った、って感じなんですよね。役者もまだ出揃っている様子がないし、既に登場しているキャラクターたちからして、まだまだ謎が多い。冬児なんかその筆頭だもんなあ。彼が巻き込まれた霊災や後遺症からしてまだ全然わかってないし。辛うじて、鬼が絡んでいるというのは今回わかっただけだし。
そもそも、春虎と夏目からして……ねえ。状況は、世間で言われている夜光の生まれ変わりと真実が実は違っているのではないか、という示唆があちらこちらに散りばめられているのだけれど。夏目の男装の理由や、春虎に送られてきたコンの正体、最後に出てきた謎の人物の意味深な発言など、確かにそれらは、真実に裏側があるぞあるぞ、と指し示しているんだけど……ちょっと、あからさますぎる気がするんですよね。
どうも、ミスリードを誘っているような、もう二、三枚ひっくり返せる裏があるんじゃないかと疑いたくなる。
そういう仕掛けもまた、楽しみな要素である。あざのさんは後半、必ずドッカンドッカン大技ぶん投げて必殺してくれるもんなあ♪


何気に、このシリーズ、サブタイトルが好みだw

1巻感想