鬼灯さん家のアネキ (2) (角川コミックス・エース・エクストラ 22-2)

【鬼灯さん家のアネキ 2】 五十嵐藍 角川コミックス・エース・エクストラ

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血の繋がっていない姉・鬼灯ハルに相変わらず悪戯されまくりの鬼灯吾朗。同級生の水野さんにドン引きされたり、京ちゃんと密着しても女子と気づかなかったりと、羨ましいシチュエーション満載の日常系(?)ギャグ!

ああ、なるほどそう言うことだったのか! 弟に気があるわけでもないのに、逆セクハラじみたスキンシップで弟をからかい続けるハルと、そんな姉に悶々としながら行動に出るわけでもないヘタレな弟。
悟朗の実姉とハルとの妙にギスギスした関係といい、単なる姉弟のラブコメギャグというには、ハルと悟朗の関係って違和感を感じるどころか、どこか不自然ですらあったんですよね。なぜこういう人間関係になってしまっているのか理解ができなかったんだが、巻末の過去回想編。ハルと悟朗が初めて出会った時のエピソードを読んでようやく理由が通った。なるほど、二人の不自然な関係にはちゃんとそうなる理由があったんだ。
そもそもこの二人って、顔を合わせてまだ2、3年って所だったというのがそもそも予想外だった。それじゃあ、ハルはともかくとして悟朗の方は彼女のことを心から姉とは思えんよなあ。しかも、早々にあんなスキンシップを取られちゃあ。ただ、中学生の頃の悟朗があんな有様だったとすると、ハルの行動って意地悪とか嫌がらせとかでは全然ないんですよね。むしろ、出会ったばかりの義理の弟に対して親切すぎるくらい。本当なら、そこまでやる必要ないんですよね。たまたま親の都合で一緒に暮らすようになったとはいえ、元々他人の弟なんて無理に仲良くなる必要はなかったはず。少なくとも、ハルの方から仲良くなろうと話しかけているにも関わらず、悟朗の方からあんなふうにコミュニケーションを拒んでいるようなら。
ハルの性格上、楽しんでやっているのは分かるんだけど、過去の話を見てしまうと悟朗も大変だ、とは思え無くなるな、これ。むしろ悟朗、もげろww
そもそもこの悟朗の野郎、本当に姉貴に惚れているのかも怪しいぞ。いや、惚れてるのは間違いないんだろうけど、何かと話す機会が多くなった水野に対しても妙にそわそわと彼女の自分に対する印象を気にしたり、田舎で初めて会った娘にフラフラとなびく態度を見てると、こいつ単に惚れっぽいだけ、自分のかまってくれる女性に対して過剰に思い入れしてしまうだけなんじゃないかと疑いたくなる(苦笑
いや、向こうから迫ってくるハルの同級生の美咲は、あれはレベルが高すぎて無理なんだろうけどさww 美咲ももうちょっと落ち着いてアプローチしたら、案外ころっと転がったかもしれないのに、馬鹿だよなあ。まあ、変態なんだから仕方ないのか。

しかし、こうなってくるとハルの悟朗への気持ちが余計に気になってくる。今のところ、彼女の気持ちというのは、本当に「弟」への愛情っぽいんですよね。オモチャだなんだと公言してるけど、実際からかって悪戯して楽しんでるんだけど、その実弟の事を思っての行動である。しかし、見る限り異性としては見ていない。弟の方も中身はあんな感じだから、二人のイチャイチャは今のところ見た目の濃ゆさとは裏腹に、本当に姉と弟のじゃれ合いに過ぎないわけだ。実際はラブコメ以前の段階なんですよね。さて、この二人、どちらかが本気になる可能性はあるんだろうか。

で、実姉の楓姉ちゃんである。こ、この人カレシいたのか。いや、それは全然構わないんだが、色々と生々しすぎる(笑
しかも、なんか体に刺青っぽいのいれてません、彼女? てっきりまともな社会人なのかと思ってたけど、アウトローな人だったのか!? 悟朗ちゃんの家って、かつては色々と問題含みだったのかねえ。
何にせよ、随分と他人行儀でギスギスした感じだったハルと楓が、姉としての共感からか、ちょっと和解したのはなんかホッとさせられた。ハルの方は楓と仲良くなりたいとまでは言わなくても、もうちょっと普通に喋れるようになりたい、とは思ってたんだろうね。なにしろ、悟朗の本当の姉なんだし。その彼女から、少しでも悟朗の姉として認めてくれるような言葉をもらえたのは嬉しかったんだろうなあ、というのがその後の機嫌よさそうな姿からも見て取れる。
それってつまりは、ハルは自分が悟朗の「姉」である事にこそ意義を見出していることもわかるわけで……。やっぱり現状では、悟朗は弟に過ぎないんだよなあ。

今のところ、という但し書きだけど、まだ水野さんの方が可能性がありそうだ。全然、相手にされて貰ってないような気もしないでもないけど、それでも悟朗ちゃんが一番近しい友人であり、彼女ってわりとあからさまに自分のいろいろな面を悟朗に見せて頓着してないんですよね。ちょっと悟朗ちゃんが期待しちゃうのもわからなくはないんだよな、あの態度。まあ水野女史は、きっぱり、照れもなく、その期待をぶった切ったりもしてますけどww

まあ今の関係でも面白いけど、これが本気で動き出すのってやっぱり誰かが「本気」になってしまってからだと思えるんだよなあ。ちょっとその辺を期待してみたい。

1巻感想