六畳間の侵略者!?6 (HJ文庫)

【六畳間の侵略者!? 6】 健速/ぽこ

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地上侵略を目論むという地底人の少女・キリハ。しかし彼女の活動といえば、河川の清掃など地域密着なものばかり。本当に侵略をする気があるのか? 孝太郎がいぶかしむなか事態は急変! 政府の対・地底人戦闘部隊《太陽部隊サンレンジャー》が現れて……。超圧縮型ラブコメディ、第六巻では、ついに謎多き美少女・キリハの真実が明らかになる!?
というわけで、順繰りにお送りされてきた当番回の最後、キリハさんの回である。エロゲ的なライトノベルって今更というくらい沢山あるけれど、ここまで忠実にエロゲ、ヒロイン攻略型アドベンチャーゲームの様式を小説に落としてやっている本というのは珍しい。そもそも、あの手のゲームのテキスト量を小説に変換すると膨大な巻数が必要になるんですよね。だから、普通はやらないしやれないんだけれど、恐ろしいことにこの【六畳間の侵略者!?】は、最初から敢えて忠実にエロゲフォーマットに沿ってシリーズを書いちゃっているのです。何しろ、共通ルート、というかプロローグ? 各ヒロインのそれぞれの事情を詳らかにし、それにある程度主人公が関わることでフラグが立てられ、あとは幾つかの選択肢さえ選べばそれぞれのルートに突入する、という段階までをこの6巻まで使ってやっちゃっているワケですから、これって最初から十巻以上出すという目算がなければ出来ない構成なんですよね。
今時、最初から二桁オーダーの長期シリーズを鑑みて執筆計画立てるのって、難しいはずなのに。よくまあ企画が通ったというべきか、最初の手応えからして途中から様相を整えたのか。
何にせよ、今回のキリハ当番回をクリアしたことで、メインヒロインは全員、孝太郎とのフラグが立って、あとはルート突入を待つばかり、なんだけれど、さすがにここから分岐というのは無理なはずなので、どうやってまとめるのか。どうやらそれぞれの出自や背景、抱えている事情などどこかで繋がっている節があるので、本来なら全キャラ攻略したあとに分岐できる真エDルートにダイレクトで入っていくんだろうが、それだと何だか恋愛要素は有耶無耶で終わりそうでちと怖い。何しろ、主人公の孝太郎がナイスガイすぎて、異性に対して全く恋愛感情を抱いてないもんなあ。単に共通ルート進行中だから、と言えるのかもしれないけど。
さて、肝心の今巻のヒロインであるところのキリハさんですが、これまで腹に一物持ってる感じで今まで頼りになるけど皆との間にうっすらと壁があったのに、意外とあっさり壁壊れちゃったな。彼女自身や誰かが打ち破ったというよりも、当番回が回ってきたので壊れました、みたいな感じだったのがちと残念でしたけど。
詳しい事情が明らかになると、何気にキリハが一番立場的にシビアな立ち位置に居ることがわかってきた。魔法少女も宇宙のお姫さまもそれぞれに強力な敵対勢力を抱えているけれど、キリハさんの敵とはある意味地上の人間丸ごとであり、同時に強硬派と穏健派がせめぎあう地底人の身内そのものでもある。地上と地下の板挟みになりながら、時に身内からは暗殺されかかり、地上の人間からは本当に侵略者として扱われていながら、地上と地下の融和を図らなければならない、という難しい舵取りを要求されている。地底人と戦うヒーロー戦隊がお間抜けな連中だからまだよかったけれど、これが真面目に侵略者に対向する特務部隊だったら、かなり危うい事になっていたはず。いや、税金払っている一般人からしたら、こんなヒーロー戦隊に公金つぎ込むのは絶対反対だけどな!! 孝太郎をマジギレさせダメ出しさせてしまう<太陽部隊サンレンジャー>って、「ゴレンジャイ!」レベルじゃないか(笑
というか、強硬派を抑えるレイハさんがいなかったら、むしろ危うかったのはヒーロー戦隊だろうに。こいつら、弱いしww

さて、ようやくここからが新たなスタート、本番である。出来れば、ドライブ掛かった勢いのある展開がみたいですねえ。

シリーズ感想