乱☆恋  婚約者は16人!? (富士見ファンタジア文庫)

【乱☆恋 婚約者は16人!?】 舞阪洸/得能正太郎 富士見ファンタジア文庫

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父王のたくらみで、本人の知らぬ間に婚約者を決められてしまった、リディア王国の王子リカルド。なんとその数は……じゅ、16人っ!? 乱れて恋するお姫さまたち16人♪ 波瀾万丈のらんぶるコメディ、はじまります!

タイトルからして、またぞろハーレム系ラブコメなのかと思ったら、いつもの掛け合い主体の駄弁りモノじゃなくって、【火魅子伝】や【鋼鉄の白兎騎士団】タイプの軍記物じゃないんですかっ。それも、軍勢を率いて真正面から戦争するタイプの話じゃなく、交渉と小細工と頭の回転力で勝負するタイプの、言うなれば外交戦争もの。個人的にはガチの戦闘ものよりも好きなタイプかもしれない。
実際、これも最初から面白かった。真正面から戦うことは最初から排し、そもそも戦争での勝利を度外視して、勝利条件を設定して機転と知略で目的を達成するという流れは、これはこれで派手な展開じゃなくても十分面白いんですよね。
何より、王子がカッコイイじゃないですか。突然その国を襲った危急の事態に絶体絶命の危機に陥ってしまった婚約者の姫様を、王子としてメリットよりもデメリットが大きいにも関わらず、見捨てることなく知力を尽くして助けようとするその姿。そりゃあ惚れてしまうやないかー(笑
あ、でも意外だったな。こんなストレートにヒロインが主人公に惚れ込む展開って、女の子が沢山出てくる作品ばっかりの舞阪さんなんですけど、実はかなり少ないんですよね。かなり明確に恋愛モードになったのって【狗牙絶ちの劔】か、【火魅子伝】も中盤過ぎてかなり行ってからの清瑞くらいなんじゃないだろうか。それにしたって、明快にそういう雰囲気になったというわけじゃなくて、なんとなくいい雰囲気、ってぐらいだったように思えたし。
でもまあ、あんな風に立場も何もかも失おうとしている中で、婚約者としての約定を交わしていたとは言っても実際にはまだ出会って間もないにも関わらず、何より婚約者として外交的に意味をなくしつつあるどころか邪魔、いやさ厄介者になりつつある身でありながら、姫としてではなく個人として自分を見てくれ、なおかつ身の危険もある事を承知で手を尽くして助けてもらったら、そりゃあ気持ちも一気に傾くわ。元々、意気投合して気も合ってたわけですしね。
でも、こんなベタぼれしてるのは珍しいので、結構新鮮な感じだなあ。
しかし、ああいう助け方をするとは思わなかったので、この王子も思い切った事をするなあ、と感心した。大胆というか強かというか。でもなにより、気持ちのいい男じゃないですか。
周りのお付きの連中は相変わらずというべきなのか、けったいな変人ばかりなのですけど、毎度の如く賑やかで楽しいですし。
婚約者巡りの旅も、どうやら単なるラブコメではなく、外交戦争の交渉合戦を繰り広げた上でその結果としてラブコメがついて回る感じになりそうですし、戦雲渦巻く各国の情勢も相まって、小国リディア王国の外交王子リカルドの旅路は、思ってた以上に面白くなりそうw

しかし、婚約者だけでも16人も居るってのに、既に一人目の婚約者が登場した時点でキャラがリカルドとセフィア姫を除いてメインキャラが五人もいる、しかもそのうち四人が女性って、ややっぱり多いよなあ(笑
まあ毎度のことなので、別に何の心配もしてませんけど。ほんと、毎度だもんねえ。だから、今更婚約者が十六人とか気にもならない! むしろ、好きなイラストレーターの得能さんの様々なヒロインキャラが拝めるのだから歓迎である。既に二巻登場予定の肉食系お姫様にドキドキなんだがw

舞阪洸作品感想