官能小説を書く女の子はキライですか?〈2〉 (電撃文庫)

【官能小説を書く女の子はキライですか? 2】 辰川光彦/七 電撃文庫

Amazon
  bk1

 唐突に現われた天真爛漫中学生・ひみこに、月と真一は官能小説と男装の『事情(ひめごと)』を知られてしまう。しかしひみこは自らも「えっちな同人誌」を描いていることをカミングアウト。秘密をばらすことよりもむしろ真一と月がこっそりしていた『体験取材』に興味津々! 二人にえっちなことを実演してみせるよう頼んできて──さらにそれだけに留まらず、藍川が真一に抱いている想いを知るやいなや、どんどん悪ノリがエスカレートしていき……!?
 絶好調のギリギリひめごとラブコメディ、シリーズ第2弾!
一巻はまだしも、月の性別がバレそうになるのを如何に回避していくか、というスリルが楽しめる瀬戸際コメディみたいな側面があったけど、二巻はもうひたすらに真一と月がイチャイチャしている上に官能小説の体験取材の名を借りたエロイベントばかりという、なにこのエロマンガ?(苦笑
ぶっちゃけ、本番手前でやめてしまうだけで、内容はおもいっきり美少女文庫とかあのジュブナイルポルノのテンプレですよね、これ。
むしろ、なぜそこで止められるのかが理解出来ない!!
まあ多分、月が行為に対して本気じゃないからなんでしょうね。幼馴染です、と主張するのも虚しいほどの、どこからどう見ても恋人関係の月と真一ですけど、真一の月への感情って好きとか愛してるとかを通り越して「溺愛」の領域に入っちゃってるんですよね。そこまで大切にしてしまっていると、そりゃ自分の欲望のままには出来ないよなあ。それでも、半分以上理性吹っ飛んでいるにも関わらず、よくもまあ毎回留まれるものだと感心するやら呆れるやら。
月も、なかなか酷である。真一への絶対の信頼ゆえにこそ自分の身を任せられるんだろうが、ちょっと純真すぎるよなあ。
ちなみに、一巻では気付かなかったというか意識してなかったんだが、真一のビジュアルって思ってたより遥かに野性味あふれる、というか野獣系のワイルドな造作してるんだな。こいつ、完全に見てくれが狼じゃないか(笑
小動物系で見るからに美味しく食べてください、と言ってるみたいな月に対して、明らかに肉食獣の風貌をしたこの男がピッタリと寄り添って離れない、というのは視覚的にかなりクるものがある(笑

今回初登場のひみこは場を引っ掻き回し、人間関係を進展させるためのフォロアーキャラなんだろうけど、悪気がないだけにタチが悪いというか、余計のお世話の塊というか、勝手に自分の解釈と思い込みと好みで人間関係を好き勝手に操作しようとするのは、ちょっとイカンよなあ。悪質だ。
確かに、彼女の暗躍のお陰で月と真一の関係はちっとばかり変わってきたけど、それはそれ、これはこれだ。

さて、この幼馴染二人組が望むずっと一緒にいられる「家族」という関係。でも「家族」にもいろいろな形があるわけで、最後のキスをきっかけに、二人とも家族への意識が後戻り出来ない形ではっきりと切り替わったような雰囲気がある。真一は無意識下で、そして月はきっと明白に。
あの後の月のどこか余裕のある様子は、きっとそういう事なのだろう。こうなったら、女は強いぜ?