鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王 (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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時を遡り、若き日の恋人に出逢った王女は──!?
アレクセルの誕生祝いの日が近づく中、ある出来事から、ゼルイークは魔力を封じられてしまう。そして王女エルレインは250年の時を遡ってしまう。目の前にいるのは、若き日のゼルイークその人で──!?

そろそろいい加減、あの姉には我慢の限界だったんですよね。やり方が陰険すぎるし、ネチネチと嫌らしいことばかりしてくるし。それをどうして周りの人たちが許容しているかがどうしても納得いかなかったんですよ。ゼルイークがあんなコトで魔法を封じられてしまうのなら、あの姉の方がより傍若無人に魔法を恣意的に使用しているじゃないか、不公平だろう、と。
でも、ようやく彼女の正体が明らかになったことで、彼女の理不尽が許される理由も納得できた。なんで周りの連中は見て見ぬふりをするんだと怒りの矛先が周囲にも向かっていたんだが、まあ彼女がそういう存在なら周りの人達が我慢するのも仕方ないか、と思えるほどには。あの姉にも姉なりの理由があるのもわかったが、そんなの知るか! という気分である。そりゃあんたの希望であって、弟に強いる権利はどこにもないだろうに、ムカつくムカつく!
それだけに、偶然とはいえエルレインが姉を出し抜き、あの女を慌てさせたのは痛快だった。ほんと、たまたまでエルレインはその後時を遡ってしまい、難儀なはめに陥るのだが。
そして、さかのぼった過去で出会った若借りし頃の少年ゼルイークがまた、可愛いんだ。若いっていいね♪ 挿絵の人も、十代後半のあのゼルイークのイラストは会心だったんじゃないだろうか。ややも幼げで突っ張った感じを醸し出しつつ妙に可愛らしいという。あの嫌味で皮肉屋なところが、若いとヤンチャで微笑ましい、という感じになるんですねえ。どこであんな風に捻くれてしまったのか(苦笑 元々ひねくれてたとはいえ、若い頃はそこまで嫌味ったらしくなかったのに。
まあ最近はエルレインとの嫌味の応酬も、どう見ても惚気合いみたいになってて砂を吐くようでたまったもんじゃないんですがね(苦笑

エルレインとアレクセル王子との婚約解消は、本人たちが望んでも国家間の約束事ということでなかなか反故に出来ずに問題は長期化中。その間に、オルフィリアが何故かとんとんと思わぬ形でアレクセルの隣に収まれるんじゃ、という感じになってるんですよね。ダンスパーティーでもパートナーを仰せつかってましたし。ただ、今の段階だと王子にとってオルフィリアは恋愛対象じゃないんですよね。これは、そうなるイベントがちゃんと控えてるって事なんでしょう。王子にも、どうやら負わされた運命があるらしきことは、エルレインが過去への旅で垣間見てきたようですから。

響野夏菜作品感想