あるいは現在進行形の黒歴史2 −紅バラの剣姫が俺の嫁?− (GA文庫)

【あるいは現在進行形の黒歴史 2.紅バラの剣姫が俺の嫁?】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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 夏! 海! おっぱい!
 英二の猛反対をガン無視して「美しい海の街・蘇々木」へとやってきたのは楓子、ロザリンド、マリス……と、英二(←被害者)。

 時ならぬ水着天国に目を輝かせる楓子の暴走は止まらず、平和な海水浴場はまさに酒池肉林のハーレム(?)に! だがしかし、幸せの絶頂にある楓子の身に不吉な影が……!?

「ごめんなさいね、英二さん。この子はわたくしがお借りします」
 気絶した楓子を抱いて微笑んでいたのは……わだつみの海妃・アイシャリアだった!
 楓子さらわる!? いったい何が始まるっていうんです!?
あれ? ロザリン、登場時から痛々しいイタさばかりが強調されてて、なんてイタい娘なんだろうと生暖かい目でしか見られなかったのだが、もしかして本当にスペック高かったのか!?
楓子のそれはもう痛々しい妄想ノートの設定を受肉することで現世に蘇った天使たち。ただし、死神のマリスを除いて他の連中はというと、元々は生前その辺の普通の娘さんだった幽霊に過ぎないわけで、言わば物凄い力こそ得てしまったものの中身はただの一般人なんですよね。そんな普通の娘さんがいきなり異能の力を備えても、そりゃ使いこなせんわなあ。アイシャのあまりにも残念な有り様に、そんな当然のことに今更のように思い当たったわけで……。
そう考えると、ロザリン、大したもんだわ。いくら中二病真っ盛りな上に演劇少女で役に没頭してたとはいえ、ちゃんと紅薔薇の剣姫の力使いこなしてたもんなあ。
というわけで、今回はロザリンドの当番回。名誉挽回というか、彼女もちゃんとヒロインなのですよー、と主張するがごときお話であった。でもこれ、紅薔薇の剣姫ロザリンドの話というよりも、田舎の地味な演劇部員だった木村玉子の物語と言った方が正確なんじゃないだろうか。生前の劣等感を克服し、単に外面だけ紅薔薇の剣姫ロザリンドに成り切って格好だけ演じるのではなく、本中身から自分に負けず自分を諦めない不屈の意志を宿し、本当の主人公になるまでの物語。
意外に彼女、ヒロインとしてもスペック高かったんだよなあ。一巻読んだ時には、この楓子並みに痛い子はラブコメとか無理だろう、と思ったんだけど。
痛いし思い込み激しいし猪突猛進のきらいはあるけれど、痛さでいったら妹の楓子がブッチギリで酷くて、それに比べれば全然マシだったんですよね。楓子の酷さが人並みを超えすぎているのが悪いんだが(苦笑
マリスはマリスでこの子は本当に人間じゃないもんだから行動基準がかなりぶっ壊れている上に、天然無表情系としては度し難いくらいイイ性格してしまっているし、で実はこのメンツの中でロザリンがかなりまともで普通の女の子っぽい事が明らかになるのである。
……前回、兄貴が血を吐いて死んじゃうんじゃないか? と心配になるくらい大変な目にあってたんだが、そりゃ妹とマリスしか居なかったんだから、そりゃあ酷い有り様になるに決まってるわ(苦笑
その点、ロザリンドが加わった今回はやっぱり色々と振り回されているといえ、ロザリンの常識的な言動にホッと一息付ける瞬間が度々あったせいか、兄貴も何だかんだとまだ精神的に余裕あるんですよね……いや、慣れてしまったんじゃないよ、きっと?
ロザリンのお陰で、なんとかラブコメとしての体裁を整える事ができ始めたんじゃないだろうか。いやほんとに、楓子とマリスだけだったらラブコメとしてはスプラッタすぎるもんな(苦笑
ただし、今のところ俺嫁レースの先頭を走るのは、敢えて幼馴染の理子だと主張しよう。前巻から既にその存在が語られていた幼馴染。兄貴と楓子が語っているのを聞いてるだけで、何とも個性的というか特徴的な子なんだろうな、とは思ってたけど、これは予想以上だった。
なんかこう、フレキシブルな野生動物? 人懐っこいんだけれど、安易に触ってるとガップリ喰われそうな感じ? 
これはアリだ!
というか、兄貴がこの子に対して隙が多すぎだろ、これ。自身のコンプレックスだとか弱い部分とか、この娘に対しては全然隠そうとしてないんですよね。それどころか、甘えてすらいる。楓子たちには背伸びするくらいの勢いで頼もしからんとしてるのに。今のところこれ、マリスやロザリン、同じ土俵に立ててもいないんじゃないのか? まあ幸いにして一つ屋根の下で暮らしている上に、件の特殊な事情を共有しているわけだから、アドバンテージは無くはないんだが。今回のロザリンみたいに、ちゃっかり距離縮める事も実際出来てるわけですしねえ。
しかしこれ、どんどんヒロイン増やしてどうするんだ? 多分、次の巻あたりには理子の妹の舞子も出てくるんだろうし。アイシャは普通にあの人と上手くいかせてあげればよかったのにねえ。

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