戦闘城塞マスラヲ (3) (角川コミックス・エース 263-3)

【戦闘城塞マスラヲ 3】 浅井蓮次+ 角川コミックス・エース 

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ヒキコモリから走り屋に!? ルール無用のカーレース「聖魔グランプリ」開幕!!
限界知れずの超絶バトル!!


優勝すれば、1億の賞金と大量の「聖魔杯」勝ち星をゲットする事ができる、ルール無用の大規模レース「聖魔杯グランプリ」がついに開幕!
スタート直後から飛び散るのはライバル同士の火花だけではない!?そんな、常識をはるかに超えたデッドヒートが繰り広げられるなか、ハンドルを握るウィル子の傍らで、ヒデオの身体に異変が起こる。
それは、ヒデオとウィル子の関係が「聖魔杯」に参加するためだけの、ただのパートナー同士ではないことを示していて――!?

原作でも屈指の熱量を誇る、奇跡の対価。「聖魔杯グランプリ」編。うおおおっ、熱い、もう目茶苦茶熱い。期待以上に、もう素晴らしく熱かった。それこそ、思わず泣きたくなるほどに。
あらすじにもあるように、ヒデオとウィル子の関係が著しく激変する、いやウィル子にとってのヒデオの存在が劇的に変わるのがこの「聖魔杯グランプリ」のエピソードなんですよね。自分が現世に顕現し、実体化し、その能力を振るうことは宿主となっているヒデオの生命力を、イノチそのものを奪っていく事になるにも関わらず、ヒデオはその真実を語ったウィル子を、責めるどころか、許すどころか、感謝の言葉を口にする。
二ページ見開きを使ったあのシーン。
奇跡の対価としては、安い。
えっ? 奇跡って?
……ここまで連れてきてもらった。

そのままなら、きっと部屋の中で野垂れ死にしていただろう自分が、ただの無気力なひきこもりに過ぎなかった自分が、こんな熱量が飛び交う、自分を燃やせる場所にいる。ここまで、連れてきてくれたのはこの生まれたての電子の精霊。ヒデオの、この傍若無人な相棒への感謝と彼女への信頼は一貫していて、それはこの物語の終わりまで変わらない。その想いこそが、彼を最期まで支え続け、この聖魔杯を走り抜ける原動力になるのだ。そして、彼のその真摯な一念こそが奔放な幼い精霊に道を示し、彼女が神へと至るための導きとなる。
そんな二人の想いが、しっかりと結びつき、共鳴し、お互いが限界を超えていく、その端緒となったのがこの「聖魔杯グランプリ」なのである。
その様子が、マスターを信じて限界を振り絞り、力のかぎり車を走らせるウィル子と、彼女が一位でゴールを駆け抜けることを信じて、ボロボロになりながらも痛みも辛さも苦しみも何もかも振りきって歩き続けるヒデオの姿を通じて、見事に描き抜かれている。
そして、彼らが貫く熱い想いは、二人の中だけで完結せずに、確実に周囲にも伝播していくのだ。皆の信頼を裏切り、道を踏み外しかけたエリーゼの目を覚まさせ、自分の正義を見失いかけていた美奈子の俯いた面をあげさせ、多くの者たちの心を揺り動かしていく。
それは、ヒデオがニセモノなどではない、本物だという証左。やがて訪れる彼を奈落へと突き落とすような展開の中で、それはヒデオを助ける事になる。

という、激熱の燃える感動のエピソードの直後に、いきなりあんな有様になってしまうのも、この【戦闘城塞マスラヲ】の売りなんだよなあ。ギャップがすげえ(笑
どうしてこうなった!?ww
ウィル子もそりゃあ、ブチ切れる。やっほう(爆笑

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