惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)

【惑星のさみだれ 10.全部 きみのためにある】 水上悟志 ヤングキングコミックス

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泣いた。
マジ泣きである。泣きそうになった、じゃなくて本気で泣いてしまった。ポロポロと零れ落ちる涙を、なんども袖で拭った。
驚いた事に、一度読み、二度読み返し、三度読み返し、と何度読み返しても涙が出てくる。読み返すたびに泣いてしまう。思えば、雑誌の連載を読んだ時も泣いてしまったのだった。
悲しみはいつか癒えるのだとしても、感動は人の心から薄れないのかもしれない。
何度読んでも、同じ場面で心揺さぶられ、同じ台詞で涙腺を撃ちぬかれ、登場人物のその姿に魂を握りつぶされる。
惑星のさみだれ、完結編である。
まだ月末に向けて幾つかの候補作はあるとはいえ、おそらく私は本作を本年度の漫画作品の中で読めて良かったと思える物語の、一番上に据えるだろう。
感謝を。
こんなに素晴らしい物語をこの世に送り出してくれた水上先生には、心からの感謝とお礼を捧げたい。
この物語によって得られた感動は、きっと一生のたからものになってくれるだろうから。

振り返り、近づいて、拳を解き広げた手のひら、差し伸べられたその九つの手は、小さな魔王を受け止める。
彼女の絶望も、哀しみも、全部一緒に背負ってくれる。

ありがとう、さようなら、また明日。

幾つもの幾つもの「ありがとう」がかわされる。
笑顔と涙で送られるさようならが紡がれる。
そして、さし出される「また明日」。

一つの、とてつもない物語が、星を砕く者の物語が終わっても、明日は続く。明日へと続いていく。それは長い人生の中におけるたった一つのエピソードに過ぎない。どれほど重く、大きく、忘れられない出来事だったのだとしても、人生は続いていく。
その先は、だから後日の談などではないのだ。
それは、かけがえの無い「今」の物語。

あんな凄い物語があったのに
それが終わったのに
ぼくらの人生は10年経った今でも
相変わらず続いている

共に生命を預けあった仲間を得て
ぼくらの物語は続いていく

こうして……

ぼく達は少し 大人になった


素晴らしい、物語でした。心から、ありがとう。



追記:ヤマカムさんの感想記事を見て、驚いたのなんの。これは、全然気づいてなかった。昴と雪待のお師匠様、そういうことだったのか。そういう事だったのか!!