ラッキーチャンス!8 (電撃文庫)

【ラッキーチャンス! 8】 有沢まみず/QP:flapper 電撃文庫

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ちょっ、ちょっ、ちょっ!?(爆笑
怖っ! 目茶苦茶こわっ!! あれはダメ、最後のイラストは反則。あははははははっ、いやいやいや、あれは駄目だろう。正方向でもゾゾゾッとするくらい壊れてて怖かったのに、そのベクトルを真反対なんかにねじ曲げてしまったら、もう怖いなんてもんじゃないよ。某所が縮み上がりそうだww
アァーーーーーッww


というわけで、天草沙代の身柄を景品にした、天草家の次期当主争奪戦の大バトルが開始。てっきり、天草家の身内を含めてもかなり少数で繰り広げられるバトルなのかと思ったら、参加人数千人越えって、なんだよ!? いったいなんなんだよ!?
でも、おかげで妙な伏兵や意外な人材などが紛れ込んでて、かなり面白いことになってる。まさか、こんなところで川平家と双璧を為すと以前から名前が聞こえてきていた、もう一つの犬神遣いの家、東家のご令嬢にこんなところでお目にかかることができるとは。多分、この東塔子って以前【いぬかみっ!】の後日譚の短編かあとがきだかどこかで、「せんだん」が東家に出向しているようなのだけど、その時何らかの関わりがあった娘なんじゃないだろうか。どうやら、東家の方でも何かと騒動みたいなのが持ち上がってるみたいだし。
そう言えば、今回は川平家の話もこれまでになくたくさん出てましたね。仮名さんの口から度々出ていた川平の刀自とは川平榧ばあちゃん以外ないし。それに、以前から雅人が面識があると言っていた川平家の人とは、どうやら啓太で間違いないようだ。颯爽に卑怯とか言われるような人、他にいないでしょ(笑
まあ、今回一番目立ってたのは、あの謎のセーラー服のおっさんだったけどな!
ほんと、なにこいつ!? ですよ。一言も喋ってないにも関わらず、あの異様な存在感はなんなんですか!? なんか、ポイントポイントにしか出てないにも関わらず、インパクトが強すぎて一人で全部持ってっちゃってる気がするんですがww

今回のラスボスは、ザ・レディーでどうやら揺るぎなさそうだ。この化物を何とかしない限り、沙代の境遇は変わらないし、当主の座を勝ちとっても意味が無い。最後には相対しそうなんだが……今のところ、自分で一番強いと名乗っているわりに、あんまりそういうイメージは湧かないんだよなあ。今まで自分より強い奴に出会ったことがない、自分の強さに絶対の自信を抱いている、という話ですけど…ねえ?(苦笑
あの大妖狐や三神の凄まじさまでの強大さを見ていると、正直何言ってんのこいつ、と思ってしまうのも仕方ないんじゃないのかなあ。
結局のところ、力の強さ、能力の強さを競うのではなく、強さの意味、強さの意義を問うことになるのだろうけど。キチが疑問に思ったように、雅人があの引っ込み思案で控えめな性格の上に自分の強さについて非常に客観的かつ精密に把握しているにも関わらず「日本最強」という看板を自ら掲げている理由。彼が抱く強さというものへの考え方。恐らくは、彼の過去に根ざす彼のその信念こそが、今度のラスボスに対する雅人の武器になるのだろう。
考え方同士の衝突というのは、思想のせめぎ合いであり、決闘でもある。これほど楽しい闘争はなかなか無く、それに実際の派手なバトルが乗っかれば、相乗効果でさらに楽しい。相手が勘違いした完璧な悪役ということで、カタルシスにも事欠かなさそうだし、楽しみ楽しみ。

一方で恋愛パートだけど、天草家が舞台ということで沙代さんが一方的にアドバンテージを稼ぐのかと思ったら、二ノ宮さんがまた凄まじい楔を打ち込んできましたがなっ!? これは作者巧い、絶妙に巧い。これで、良子は一切この事件に立ち合う事が無いにも関わらず、どういう形で終わっても彼女のお陰がついてまわり、沙代さんは大きな借りを良子につくることになってしまったわけですから。少なくとも、ここでの逃げ切りは先回りして完璧に封殺されてしまったわけだ。もう、沙代さんが雅人に対してとろっとろに蕩けきってるだけに、これはご愁傷さまとしか言えない。これ、ツンデレしてる場合じゃないよ、沙代さん。今回の一件で、貴女も雅人に対して良子並みにしっかいとした意思表示を雅人にしないと、一気に押し切られてしまう。いや、だからこその今回の沙代さんの立場なんだろうけど。もう、雅人に対してまるごと身投げするくらいしないと、どうしようもないもんね。さすがに、良子さんは女としてしたたかになりすぎてしまった感があるので、まだ隙のある沙代さんの方が可愛げがあっていいと思うんだが。
雅人も、かなり意識しだしてるしねえ、沙代さんのこと。まさか、嫉妬めいた感情まであの雅人が抱くことになるとは。あのへんの雅人の心の動きには、思わずニヤニヤしてしまった。
だがしかし、ここに来てキチが本格的に幼い子どもから恋を知る少女へと一気に成長してきた。これまで、あくまで妹ポディションでどうやっても恋愛対象外だったのに、まさかの乱入だなこれ。まさか、この娘がこんな女の子なイイ顔をするとは思わなかったので、驚いたなあ。絶対可憐チルドレンの小学生編の頃の薫と今やってる中学生編の薫くらいの規模で変化してるんじゃないか?

それにしても、恐ろしきはラストシーンである。何度見ても縮み上がる!(爆笑


追記:あれ? 調べてみたら、東塔子ってコミックスの方に掲載された外伝で登場してたみたいですね。ただ、能力の秘密は同じみたいだけど、性格や容姿がだいぶ違うようですし、年代も相当違うことを考えると同じキャラではなくて流用なのか。でも、せんだんが後々派遣されて犬神として仕えるのはやっぱりこの娘なんでしょうね。

有沢まみず作品感想