真月譚月姫 10 (電撃コミックス)

【真月譚月姫 10】 佐々木少年 電撃コミックス

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オーバー・ザ・ムーン/ムーンライト
彼女が夢見たお伽噺は、あの月の果ての果てに


この輝くようなアルクェイドの幸せそうな笑みこそが象徴で、最果てだった。
佐々木少年版漫画【月姫】。ここに堂々の完結。
最後の一冊を以て大胆に描かれる最終回。それは別れの儀式。多くの痛みを胸に秘め、それでも幸せだったと、そしてこれからも幸せなのだと笑いながら言葉にするさよならのインジケート。
見開きいっぱいに描かれた情景は、胸を締め付けるような神秘的な切なさをもって、あの月姫をプレイしたときの感情を新しく再現してくれる。

なんて、きれいな、蒼い月

そして、余韻も醒めやらぬ中訪れる、あの人との再会。
遠野志貴がたどり着いた果ての果てでの、彼を遠野志貴として生きるべきを導いたあの人との再会と、別れ。
月姫という作品における、ある意味「絶対」と呼べるあのシーンを経て、この漫画版は最果てを越えて、原作があの時、届かなかった場所まで辿り着くことになる。
佐々木少年版だけの、アルクェイドの、吸血姫と殺人貴とのエンディングに。
まさにここに辿り着くために、この素晴らしい七年間を捲り続けたのだと確信できるエンディングに。

あの日、【月姫】というゲームと出会い、プレイできた幸福と、その後にこんな至高のコミカライズに届いた幸運を噛み締める。
今はもう、正規の手段では手に入らないゲーム原作。TYPE-MOONの原点にして原典を未だプレイしたことのない人は、もし月姫Rがでたときは迷わず手に取って欲しい。あの物語は、十年経った今も尚色褪せることない輝きを持っている。
この傑作は、見事にそれを此処に証明してくれた。
完結、お疲れさまでした。素晴らしい作品をありがとう。

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