EX! 12 (GA文庫)

【EX! 12】 織田兄第/うき GA文庫

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「これより実力行使に移行する」

 ドクターグレイの謀略に嵌められた一哉は、予想外の心強い味方の出現によって辛うじて危機を脱し、一路学園の危機を救うべく、ひた走っていた。
 平和的な催しになるはずだった聖クレス学園の学園祭は、いまや空中要塞《エレボス》の襲撃によって、混乱をきたしているのだ。

 遂に姿を現した姉・由真の姿に異常な反応を見せる由良。
 そんな由良とシスターヘラを捕らえ、さらには会場にいる人たちに無差別攻撃を加えようとする《NYX》に、十季子や比夜、羽月たち学園の生徒たちは立ち向かうが……!?

 緊迫のシリーズ第12弾、登場!

前回の感想でも書きましたけど、話の流れや雰囲気からして、メインヒロインの座を射止めるのはまず十季子先輩だろうな、とは予想していたのですが、この巻でキメちゃうとはさすがに思わなかったなあ。はじめから分の悪かった比夜会長は、ここではっきりとリタイア宣言。由良はまだ元に戻っていない以上はっきりとは言えないのだけれど、身を引く態度を示しているので少なくとももう割って入って来ようとする人はいない、となった段階で一哉のあの発言である。こりゃ、決定でしょう。
いやあ、これ地味にうれしいなあ。十季子先輩も、当初は明らかに報われずに終わってしまうポディションの人だっただけに、ここ数巻の展開は気分的には大逆転という感じだ。【彼女は戦闘妖精】の常葉先輩といい、これまでのパターンだと自分の恋を諦め、後輩の恋の成就を淋しげに、でも優しく見守る、というような立ち位置だったヒロインが本命の座をゲットするケースが度々見受けられるようになったのは、元々そういう属性のヒロインが好みの身の上としてはやっぱりテンション上がっちゃうんですよ(笑
一哉は万人に優しく公平だけど、八方美人でも鈍感でもないので、どこかでキメてくれるとは思ってたけど、この段階で早々に決心固めてくれるとは、まだまだ見損なってたな。えらいよ、小僧。

そんな成長著しい若者たちだけど、まだまだオヤジ世代も負けていない。というより、まだ及びも付かぬって感じだよなあ。仮にも改造人間たちとの共存と平和が成り立とうとしている時代と違って、殆ど戦争と言ってもいい戦火を最前線で戦い抜いてきた世代は、やっぱり一味ちがうということなのでしょう。
それでも、彼らが切り開いた道を確かなものとしていくのは、今の世代の子たちなわけで、その意味では此処の若者たちは本当によくやってる。親の世代が築いたモノの価値をしっかりと胸に刻んだ上で、自覚と責任と希望を胸に今を戦っているわけだから。良い子たちじゃないか。親たちも、そりゃ誇らしいわな。多少ロートルになったって、この子たちの為にももうちょっと頑張るべ、と気合も入るわ。

と、新しく出てきた三人衆? は、そんなロートルオヤジたちよりも、もしかしたら上の世代になるのかしら? 親父さんたちの台詞から鑑みても、新型というよりも偉大なる始祖が出張ってきたって感じだし。その割に戦闘型じゃなくて明らかに能力が支援型というのが不思議だが。誰を支援する目的で誕生したんだろう?
あー、でもシスターヘラの配偶者が誰なのか、ようやく分かった気がする。ある意味それって、一哉両親に匹敵するくらいドラマティックな関係になってしまう気もするけど。
しかし、ミスラといいヘラといい、往年の大幹部がこんなまともで人倫を弁えた人柄であるにも関わらず、なんで悪の組織なんかやってたんだろうと不思議になるんだが。

とりあえず、ヘラとミスラの関係はよくわかった。ヘラってワガママ傍若無人幼女のくせに、ミスラ相手だといいんちょーだな、これ(笑 

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