魔王をプロデュース!? (幻狼ファンタジアノベルス)

【魔王をプロデュース!?】 甲田由/結川カズノ 幻狼ファンタジアノベルス

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魔王の影武者をすることになった気弱な中年メィズは、娘のベルに叱咤されながら奮闘する! 第一回幻狼大賞優秀賞受賞作!
魔王と言ってもこの世界観の場合、人類と敵対する絶対王じゃなくて、一地方の魔人族の王様だから「魔王」と呼ばれてるだけで、しかもこれは王様というよりも戦国時代の地方大名といった規模で考えた方が良さそうだな。他にも獣人の王なら獣王、人間でも征服王とかとにかく様々な王様が各地で跋扈し、覇権を争っているという情勢。その中に免許制勇者制度なるものが介在し、ちゃんとしたルールの元に襲撃を掛けてくるものだから、ゲーム的な世界観のか戦記的な話なのかややも混乱してしまうのですが、ここは影武者となったヘタレの役立たずお父さんと、良く出来た娘さん・ベルと魔王の側近四天王のアットホームな家族ものとして一貫して捉えれば分かりやすくなるでしょう。
うん、これは面白かった。ベルさん最強とか、ベルさん無双とか言われてるのに恐ろしく納得。カカア天下のベルにはお父さんも四天王も頭があがらない的な最強じゃなくて、いやそういう要素もたっぷりの肝っ玉才女なんですが、むしろそんな内助の功すらもベルさんの最強伝説の一角に過ぎないという所の、この女性の恐ろしさが垣間見えるという。
信長の野望的に言うと、ベルさんって殆ど能力値オール90オーバーじゃね?
むしろこの人を頭に戴いて戦ってしまった方が、世界征服は速そうな気がしますw まあ、弱虫お父さんも此処ぞというときは引かず逃げず退かず、という根性見せてくれたので見直しましたけど、最初の頃は本気でヘタレで四天王の皆さんじゃないけど、これはアカンだろうと思わされたんですよね。深窓の令嬢とか箱入り娘じゃないんだから、その性格はもうちょっと何とかしないと(苦笑
社会人としてやってけないレベルですぞ、あれ。だからこそ、無職でひーひー言ってたんでしょうけど。よくぞまあ、このお父さんからあの娘が生まれたという不思議。お母さんからの遺伝なのか。能力の凄まじさと裏腹のあの温厚な性格は、父親譲りなのでしょうが。

とにかく、最初はガラじゃない魔王の影武者役に毎夜涙にくれる父親を励まし、世界でも有数の優良学院の生徒会長としての経験と、節約主婦としてのスキルを生かした助言なんかで、あくまで後ろからみんなの支援をしていたベルさんが、中盤以降で事態が急変しだして追い詰められた瞬間、それまでスカートの下に隠していた本気を出し始め、「ベルさんって何者ーーっ!?」と四天王たちに悲鳴をあげさせ初めてからの大盛り上がりは楽しかったです。序盤のハイスペックさだけでも充分最強キャラなのに、そこからさらに底上げだもんなあ、凄い凄い(笑
四天王の一人、フレクさんと結構雰囲気良くなってたので、そのまま恋愛モードまで行ってくれればもっと楽しいんですけどねえ。今のところ、口うるさい執事さんに逆戻りしてしまってるみたいですが。というか、あれって過保護というか、大事な人なので手元で囲っておきたいという本心が滲みだしてるっぽいない、フレクw