とある科学の超電磁砲 6―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)

【とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 6】 冬川基 電撃コミックス

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学園都市で行われる二万体もの美琴のクローン 『妹達(シスターズ)』 を殺害させる 「絶対能力進化(レベル6シフト)」 計画。
その実験を止めるため、美琴は最強の能力者である 『一方通行(アクセラレータ)』 に挑もうとする。
だが、そこへ上条当麻が現れ……。 最強と最弱の男が激突!

いや、これホントに原作小説のあのシーンなの? 全然違うじゃない。全然違うじゃない。自分の死をもって計画を止めようと決意した美琴の前に立ちふさがる上条当麻。あの橋の上でのシーン、ここまで印象変わるとは思ってなかった。そりゃ、冬川さんの描くとあるの世界は全然違う別物だと分かっていたつもりだったけど、同じシーンでここまで劇的に変わってくるなんて、すごいわ、この人本当に凄い。
美琴が計画を知ってから必死の思いでこれを止めようとして失敗して失敗して失敗を何度も繰り返し、その間にもシスターズが殺されていく絶望に打ち拉がれ、精神的にボロボロに成り果てた末に自分が死んで決着をつけようと思い詰めるまでを赤裸々に描かれていただけに、美琴の悲壮感や絶望感はこれ以上なく伝わってきてたんですよね。美琴については予想できていた。予想外だったのが上条さんですよ。
この上条さん、一杯いっぱいなのである。美琴の前に立ちふさがるこの少年、切羽詰ってて余裕なんか全然なくて、目茶苦茶必死なんですよ。瀬戸際に立たされたような、一歩退けばそれだけで全部台無しになってしまうと迫られているかのように、息をするのも苦しそうなほど緊張しまくってる。そんな様子で、美琴の前に立ちふさがるわけですよ。
この上条さんは、ちゃんと美琴を見てるんです。美琴という個人を見て、必死にこの女の子を止めようとしている。止められなかったら、取り返しのつかないことになると恐怖しながら。
この上条さんが示すのは、信念でも正義でもありません。愛ですよ、愛!! 
そんでね、ボロボロになりながら、この上条さんは物凄いイイ顔で笑うんですよ。美琴を止められて、とても安心したように、ホッとした顔で笑うんですよ。そして、彼女の代わりに戦うと誓って、待っててくれと気負いのない顔で微笑むわけですよ。
そして、シスターズの為に、本気で激怒する上条さん。
もう、惚れる。これでホレなかったら頭がおかしいってくらいにカッコイイ。人間・上条当麻のなんてかっこいいことか。この上条さんなら、幾らでも好きになれるのになあ。

加えて、一方通行と上条さんの殴り合いに立ち会った時の美琴の想い。妹たちと、本当の意味でつながった瞬間。毎回毎回おんなじことばっかり言ってますけど、この冬川基という人の漫画力、魅せる力はケタ違いだわ。
傑作です。

シリーズ感想