氷結鏡界のエデン6  水晶世界 (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 6.水晶世界】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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巫女の第三位と、その千年獅。彼らの帰還と共に、水晶世界の旋律が響く−−
巫女失格なの−−ユミィはシェルティスにそう告げる。千年獅・ホルンとの因縁から、自分を追いつめるユミィ。そんな中、強力な幽幻種が発見される。ユミィは、討伐に向かうホルンと、ある“勝負”をするのだが−−
今の世界を織り成す秘密が徐々に浮かび上がり、真相へとたどり着くための足がかりが見えてくるのつれて、さらなる謎が謎を呼び奥行きが広がっていく中で……キリエ料理長、あんた何者なんだよ!!(爆笑
いや、このカフェの料理長だけなんかいきなり過ぎるよ! 他の世界の謎や登場人物の真の姿なんかは、ちゃんと物語が進む事によって段階的に、繋がりを持って情報が開示されて行っているにも関わらず、この人だけそりゃもういきなり無造作に、前触れもなく、出会い頭に、謎の中核にしれっとした顔で紛れ込みやがったw
何らかの思惑あって、このポディションに居た、と思えれば気も楽なのだが、言動を見てると本気でたまたまっぽいのが恐ろしい。紗砂と鉢合わせしたときの二人の様子を見てると、何も考えてないようにみえるし。
まあ、穢歌の庭から帰ってきたシェルティスを雇っていた時点で、何も知らなかったとは考えにくいんだけれど、やっぱり何も考えてなさそうだよなあ(苦笑

さて、今回の話でようやく巫女と千年獅が全員登場したのか。これまでは何だかんだと出来た人が多かった中で、千年獅ホルンが余裕のない人だったというのが意外だったなあ。ユフィに対して逆恨みが高じて、極めて辛辣な態度をとっているのだけれど、八つ当たりの対象であるユフィのみならず、誰彼構わず攻撃的な態度なんですよね、この人。ユフィに期待を裏切られたからこうなったのか、そもそも心をゆるしている家族以外には敵愾心をむき出しにしないと我慢出来ないたちだったのか。何れにしても、心に余裕が無い現れなんだろうけど、これは姉巫女様がちゃんと躾ておかないと。実際、妹の態度には姉様も危惧を持っていて何度も言い聞かせてたみたいだけど、全然効果がなかったようだし。
だからこそ、そんなホルンに対してシェルティスとユフィがビシッと直言してくれたのには、正直見直す思いだった。二人とも、温厚で他人に対してあまりキツい事は言わないタイプなだけに余計に。特に、ユフィなんかはホルンに恨まれるだけの理由があった上に、シェルティスを浄化出来ない件も合わさって、自分の巫女の資質に対して自信をなくしかけてた部分もあっただけに、ホルンに対してはとても強く出る事は出来ないとおもってたんですよね。それが、ああも直裁的にホルンを非難して退けるとは。
意固地になっていたホルンも、ユフィの人となりは恨み怒り憤っていたからこそ良く理解していただろうから、そんな彼女からの容赦のない言葉だからこそ、姉の言葉よりも余計に深く突き刺さったのだろう。自分を見つめなおすきっかけというのは、なかなかいつも傍に居る親しい人からは得にくいものですからねえ。
こうして、巫女として、護士として他者との関わり合いが増え、成長していくに連れて、お互いを守り助ける事を至上としてきたシェルティスとユフィは、その目的はそのままに、しかし立場と視点をより俯瞰的に、この世界の在り方そのものの謎の解明を意識しはじめている。それこそ、世界が自分たちに何を求めているかを確かめるために。
見事に、世界の謎を紐解くこそが、二人が求める道へと繋がっている事が明らかになりはじめたわけだ。
しかし、そこにどうやらエリエが思わぬ形で深く関わることになりそうなのは予想外だったなあ。この娘、最初はその立ち位置がよく分からなくて、単なる賑やかしの、雰囲気を明るくするためのコメディ要員なのかとすら思ったくらいなんだが、いつのまにやら謎を織りなす中核人物たちの間に一番深く入り込んでいる上に、この先も彼女が重要な役割を果たすであろう事が示唆されているわけで……。
丁度、あのやたらと個性的だった統政庁の特殊機関【天の車】の第九なども登場して、そろそろ役者も出揃ってきたのかな。あそこの連中、ある意味天結宮の人間たちよりもよっぽどキャラ濃いよなあ(笑

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