DARKER THAN BLACK-漆黒の花-(4)(完) (ヤングガンガンコミックス)

【DARKER THAN BLACK 漆黒の花 4】 岩原裕二 ヤングガンガンコミックス

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【DARKER THAN BLACK】のアニメ第一期と第二期の間の時期を描いた漫画化シリーズもこれにて終了。
元々作者がDTBの世界観構築に深く携わっていた、ということもあるんでしょうけれど、ちょっと乱暴な言い方をしてしまうとアニメよりもDTBらしかったなあ、という不思議な感覚を味わわせて貰った。何やら妙な方向に行ってしまった第二期は元より、本来の原点であるはずの第一期よりもこれぞDTB、と感じてしまったというのは変な感じである。特に黒のキャラクターは、考え方から感情の火の付き方まで非常にしっくり来るものだったんですよね。アニメ版よりも熱い男になってる、と語られてますけれど、本来黒って熱量的にも熱く、情にも厚い男だったじゃないですか、分かりにくいだけで。ああそっか、第一期は黒が契約者という点について色々迷彩かけられてたから、黒という男の本質がかなりわかりにくい表現構成になってたんでしたっけ。その意味ではやっぱりこの漫画版が一番黒らしい黒を見られる媒体になるのか。
実のところ、黒と銀と課長以外は全滅するエンドをかなりの割合で覚悟していたので、思いの外主要メンバーが生き残ってくれたのは嬉しかったなあ。しかも、単純になしくずしに生き残るのではなく、それぞれに決着をつけて前向きに生きていけるだけの物を掴みとっての生存だったのは望外の事だった。
ハーヴェストとの最終対決の場に、銀だけでなく足手まといの梓まで連れて行く黒は、契約者としてはトチ狂ってるよなあ。合理的じゃないどころの話じゃない。普通の人間だって、あの場面に梓は連れていけないですよ。でも、梓が失ったものを取り戻すためには、この先生きて行くために必要な思い出を、たとえ罪にまみれていようと悲しみに叩きのめされようとも、取り戻すことが必要だと思ったから、黒は梓の決死の願いを聞き入れるのである。梓の姿に、妹のこと、アンバーのことを今も苦悩の源泉であると同時にこれからを生きる力として大切に抱え込んでいる黒にも思うところがあったんでしょうが、でも梓ってそこまで黒とかかわりが深い娘じゃないんですよね。それなのに連れて行く。足手まといなのに連れて行く。ここに、黒の熱さが現れてて、いやあ惚れますわ。
そんな黒に当然のように寄り添う銀は、かわいいのう。二人の息の合いっぷりは麗しいくらいです。一緒にいるだけでよかったのに、この二人は。なんでああなってしまったんだろう。未だに納得行かないんだよなあ。

何れにしても、アニメのスピンオフというところに留まらない、素晴らしい漫画作品でした。梓と響子の友情には最後まで泣かされた。

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