おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その4 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その4 彼女だけのエピローグ】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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「お目覚めなさい、ご主人さま」超目覚めの悪い感じで毎朝が訪れる荒谷学園ゲーム同好会の夏休み。白崎家では一乃、キリカが泊まりこむ合宿が開催されていた。双子の妹リリス×2と二人が毎秒ごとに宗司を巻き込む喧嘩を繰り広げる中、チャイムが鳴ったドアの向こうには。「そうじ、はじめまして、フェルはあなたの……あなたの、なに?」燃えるような瞳に真っ白肌、ネコ耳&巨乳、妹みたいに小さめな……なんか色々ちょっとずつかぶっちゃってる感じの美少女だった!新たな火種とともに、ついに物語の核心の予感!? 葉村哲が贈る新感覚ラブコメディ(かも?)、第四弾!
此処に来てさらに新ヒロイン!? とは露程も思わなかった。葉村式からして、すでにヒロインは一乃、キリカ、リリスの三人で定まっており、ここにさらにもう一人加わるというのはあり得ない。
だとすると、フェルという少女は何なのか。図らずも、あるいは図ってか、粗筋で凡そ彼女についての核心めいたことは書いてあるんですよね。彼女の正体そのものは散々同棲ラブコメをやらかしたあとのラストにてついに明らかになるのだけれど、先のシリーズ【天川天音の否定公式】で第四のヒロインになれなかった少女「コッペリア」がそうであったように、彼女こそが物語を覆い隠していたベールを開くための作動キーであった訳ですな。とはいえ、彼女はコッペリアのように受動的ではなく、彼女自身の意思に基づいて能動的に役割を担っていたのですけれど。それに、彼女の正体そのものにはさすがに驚かされました。これって彼女だけが特別なのか、あるいは彼女以外の同類もまた同じように自律しているのか。ここは結構重要だと思いますよ。場合によってはキリカの運命にも関わってくることですし、未だ明らかになっていない宗司に纏わる諸々についての今後の展開にも大きく作用してくるはずですから。
何れにしても、前シリーズにひき続いてメインヒロインまたも蚊帳の外に放り出されたなあ。当初は非日常設定の中心に居ると思わせておいて、いざとなると実は一番部外者だったという有様になるのは、前の天川天音とおんなじわけで。そう言えば、今回三人いる宗司の母親のうち今回電話口で登場したの、あれ天音だよなあ。残念さは相変わらずのご様子で。
ともあれ、今のところ本当に一乃が一番の部外者なのかは、異能に纏わる話がまったくの情報不足なので断定はし難いのだけれど、ラストのあの展開なら少なくとも一乃がそう思い込む可能性は高いはず。こりゃ、イケイケ娘さんも背中を向けて距離を置こうとしてしまうのか。そうなってしまうと、果たしてあの宗司がどう反応するのかやや怖い所なんですよね。来るものは拒まずの彼だけど、去る者は追わず的な「無関心」とも言うべき側面を今回垣間見てしまっただけに、今後の一乃に対してどういうアクションを示すのかわからない部分がある。
あー、今まで宗司が「あの」キリカとこれまで仲良く過ごしてこれたのって、つまり宗司が「そういう」人間だったから、なんだよなあ。キリカもそれを本能的にか理解しているからこそ、彼に対して安心して懐いているのだろうけれど……。ふーむ、となるとやっぱり重要なのは一乃という新しく加わった要素なのか。
彼女と宗司が出会ったことでもしナニカ変化が生じ、生まれたものがあるのだとしたら、次回以降それが明示されるはず。やはり次回は大きく話が動きそうだ。話は動かなくても、関係と感情は動きそうだ。

にしてもだ、この娘さんたち攻撃力は高いけれど、受け身に回ると弱すぎですなっ! 宗司くんが悪質な洗脳を受けてキャラ変わってしまった日誌七なんか、ボロボロじゃないですか。あんたら、鼻血吹いて倒れるヘタレハーレム主人公かw

葉村哲作品感想