魔法少女おりこ☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

【魔法少女おりこ☆マギカ 1】 原案:Magica Quartet 漫画:ムラ黒江  まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ

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大ヒットオリジナルTVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」からスピンオフコミックが全編描き下ろしで登場! 孤高の戦いにあけくれる佐倉杏子、正義を胸に見滝原市を守る巴マミ、静かに鹿目まどかに寄り添う暁美ほむら。交わることのないはずのそれぞれの魔法少女としての戦いが、『魔法少女狩り』という事件を中心に一本の物語を紡ぎ出す。それは、彼女たちの運命を変えてしまうような事件――。それは、新たなる魔法少女物語の始まり――。
うわぁ、これはグロい、ブラックだ、ハードコアだ。「魔法少女まどか☆マギカ」のダークな部分を抽出して新たな一つの物語に仕立て直したようなスピンオフ作品。皆が気になっていただろう、この作品が「魔法少女まどか☆マギカ」の世界観のどの部分にある世界の話なのか、という点だけれど、魔女が存在しており、まどかも普通の人間として存在している以上、本編より後の話ではないですね。加えて、どうやらマミさんは魔女シャルロットを単独で撃破しているようなので、当初囁かれてたみたいな本編の時間軸の過去編にあたる話でもないみたい。
ともかく、他の時間軸にあたる世界みたいだ。
ほむらが既に転校してきていて、まどかと面識がある。しかしまどかは一切魔法少女の事は知らずに関わっている様子もない、という点を見るとどうも本編のアバンでもあった、一周前の時間軸な気がするんよなあ。10話のほむらの話で描かれた以外の時間軸があるなら話は別だけど。
それに、これが一周前の話だとすると、冒頭で織莉子が見た光景も容易に想定できるんですよね。そして、彼女が何を決意してしまったのかも。
てっきり、表紙の見慣れぬ幼女が織莉子だと中身を読むまで思い込んでたんですが、あの娘は織莉子じゃありませんでした。主人公と明言されて、タイトルにもなっている少女は表紙にすら映っておらず、本編でもその動向は殆ど明らかにされません。普通に見てたら、どう見ても主人公は虐待されていた幼女ユマを拾ってしまい、ついつい面倒をみることになってしまった杏子であり、一人戦い続け、「魔法少女狩り」という凄惨な事件を追うことになるマミさんなのですが、もしこの物語そのものが「織莉子」の覚悟によってはじまったものなら、やはり主人公は彼女「織莉子」なのでしょう。もし予想が正しいなら、彼女はほむらと同じ時間に関わる能力の持ち主のはず。ただし、ほむらと違ってこの時間軸が彼女にとって唯一無二。だとするなら、彼女にとって「あの存在」の現出は絶対に認めてはいけないもののはず。彼女が救世と謳うのも間違ってはいないはずなんですよね。
その方法が、まさに手段も何も選ばないものだとしても。いや、ある意味それっていつかのマミさんと同じ結論によっていると言ってもいいかもしれない。
何れにしても、これはどう転んだところで「魔法少女まどか☆マギカ」本編よりも凄惨で救いのない滅びの話になる事を疑えない。しかし、だからこそこれは面白い。スピンオフ作品として本編の設定を大胆に活用した、実に先が気になる作りになっている。杏子とマミさんというアニメでもおなじみの二人を主要人物においたのも効いてるなあ。杏子は相変わらず、何だかんだと面倒見が良くて幸薄い子たちを見捨てれないという聖女っぷりが滲み出てるし、マミさんは不遇だった本編と比べて、クールでタフそうな正義の魔法使いを実演してらっしゃいますし。相変わらず死にそうですがw
作画の方は癖があって好き嫌い出そうですけど、私はけっこう好きかなあ。こう、誰も彼もが荒んでイカレてそうな病んだ感じが実にこの物語の雰囲気に相応しい。