棺姫のチャイカII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 2】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

Amazon

「集める。それから。始まる」チャイカの望みを叶えるため、共に旅するトールとアカリだが、まず騎士ジレットから逃れる必要があった。そんなトールの前に、重要な情報を提供する少年、そして美麗な竜騎士が現れ……
気のせいか、一巻の時よりも背負っている棺桶おっきくなってませんか? 二巻の棺桶だと背負って歩けないぞ!
さて、このパーティー、忍者が二人に魔法使い(狙撃手?)というメンバー構成は明らかに戦力バランスが偏っていて、こりゃ壁役の前衛が参入しない事にはまともな戦闘ターンをこなせないぞ、と思ってたんですよね。暗殺や不意打ちといった不正規攻勢には長けたパーティーとも言えるんだけれど、あくまでそれは敵に対してアドヴァンテージを握っている場合だけ。顔割れして、追跡されてる状態だとなかなか長所は活かせない。本気で開き直って、追跡してくる部隊を個々に引き離して一人ひとり各個撃破して殲滅するくらいはできそうだけど。少なくとも何人か暗殺したら、向こうも警戒を解けなくなるから追撃も緩むだろうけど。いや、チャイカが隠密能力殆どないから難しいか。さらに、実行しても相手が本気になるだけだしなあ。
何れにしても、このまま追撃部隊を振り切る事が出来ないなら、壁役になれる前衛がいないと太刀打ち出来ないんですよね。だから、早いうちに仲間は増えるだろうなー、とは思ってましたが案の定、このへんはやはり堅実である。ただ、チャイカたちは半分犯罪者みたいなものだし、立派な目的があって行動しているわけでもないから、仲間になるにしてもまともな理由で加わるのも難しいし、そもそも人間的に健全な人というのはどうやら追撃部隊のジレット隊の方に作品的に集められてるっぽかったんですよね。トールたち一行は、別に悪人というわけじゃないんだけれど、平和になった世界に適応しきれずドロップアウトしてしまったアウトローみたいな役回りに位置づけられているようなので、仲間に加わるキャラクターも相応に平和になれないキャラなんだろうなあ、とは推察してたのですが……なるほど、そう来たか。

はい、さらに「ボケ」一人追加ーー!

すげえな、この作品。ヒロイン全員ボケしかいないぞ。天然でボケ倒すチャイカに、強行にボケ倒す義妹アカリの二人の話が通じないボケボケっぷりにあれだけ振り回されてたトールなのに、さらに天衣無縫のボケが加わったらこの兄ちゃん、過労死するんじゃないのか? 今でもわりと一杯いっぱいなのに。
しかし、チャイカ当人の謎はまったく明らかにならず余計に深まるばかりだったな。というよりも、ジレット隊が自分たちが追いかけている少女の正体に疑問を抱く描写を丁寧に挟んでいることからも、チャイカが単純にガス皇帝の隠し子、という事はまずないだろう。それどころか彼女の正体はこの物語の根幹をなすもののはずだ。
今出ている情報だけでも、幾つか想像は出来るけどね。帯のキャッチフレーズにもなっているトールのセリフ、
「俺の目的は、お前の目的を叶えることだ。我が主(チャイカ)」
これも、話の進み具合によっては重要なキーワードになる可能性もあるんですよね。チャイカにとっての目的は今のところ、父の遺体を集めて弔うこと、ということになっているけれど、将来それが変質したとき、「チャイカの目的」というものの何処にチャイカの主体をトールが見定めるか。トールにとっての主は誰かのか、というのが問われる事になった時、彼が告げたセリフ、彼女が受け取った言葉というものは大事になってくるはず。
まあこれは、想像が当たった場合ですけどね。まだ断定するには情報が少なすぎるし。
何れにしても、着実に下拵えは進んでいる感じ。キャラ同士の掛け合いも楽しいし、順当に面白かった。次の巻あたりでそろそろ本格的に話が動き出すのかしら。

しかし、アカリはなんでそんなに貧乳を目の敵にするんだろう。普通は逆だろうにw

1巻感想