彼女を言い負かすのはたぶん無理 2 (スマッシュ文庫)

【彼女を言い負かすのはたぶん無理 2】 うれま庄司/しらび スマッシュ文庫

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高校ディベート部を舞台に繰り広げられるラブコメ『彼女を言い負かすのはたぶん無理』の続編が登場。

 ディベートの天才少女アイラに心を奪われた主人公・桜井は、彼女が自分のことをどう思っているのか気になってはいるが、結局は聞けないまま時間が過ぎていく。そんな折、先日の騒ぎ(第1巻の公開ディベート)を起こした件で桜井とアイラが職員室に呼び出される。そこで言い渡されたのは、アイラの退学と、ディベート部の廃部だった……!
ちょっ、もしドラを名指しでネタにしやがった(笑
いやいや、あれは環境整備の問題であってアイラ先輩の指摘しているところはちょっと的外れな気がする故に、桜井くんはそこを突っ込まないと。当たり前の事を当たり前に出来るように環境を整える為の具体的なイメージをゼロから構築するのは大変なんですぜ。まあ自分、原本読んでないのでどうもこうも内容を言えないのですけど。アニメは後半、ドラッカー関係なかったような気がするが。

さてもこの作品に興を覚えるのは、アイラと桜井の二人が弁論を持って相手を説くディベート部の部員でありながら、終始言葉を費やさずに相手に自分の想いや在り方を理解してくれないかと期待し続ける所なんですよね。言葉に出して言わなくたって、桜井くんなら、アイラ先輩なら、自分のこの気持を分かってくれる、はず。と、無言でお互いの距離を伺い合っている。
実のところ、この二人、お互いの気持はそれぞれが期待していたように、ちゃんと伝わっていたと思うんですよ。相手が自分をどう思っているか。相手が自分に何を期待しているか。
でも、伝わってきたものが本当に相手の気持ちなのか。真実の想いなのか。単なる自分の思い込みじゃないのか。アイラも桜井も、自分が感じた相手の想いを、心の底から信じる事が出来なかった。不安にかられ、自分自身にしがみつくしかなかった。
或いは言葉を最も大事にするディベート部の部員だったからこそ、言葉にして相手に伝えない気持ちというものを信じる事が難しかったのかもしれません。
だったら、言葉にして伝え合えばいいじゃないか、簡単だろう、という話になってしまうのかもしれませんが、それを簡単に出来ないのがまた人間というヤツなのでしょう。
これもまたディベート部員だったからこそ、言葉の重たさを知っていて安易に使えなかったのかもしれません。言葉の威力、言葉の重さ、言葉の力を誰よりも知り、それを駆使する事に青春を捧げる心づもりの彼らだからこそ、お互いの気持を確かめ合うのに言葉を惜しんでしまったのでしょうか。言葉を使えば、逃れようもなく決定的になってしまうが故に。
だからこそ、最後に二人はディベートという、二人にとって慣れ親しんだコミュニケーションツールを告白の手段に選んだのでしょう。学校や教師を相手に回して大暴れするアイラと桜井という人物を思えば、随分と可愛らしい話じゃないですか。もどかしくも切実な恋物語には、キュンキュンしてしまいました。こういう初々しい話は大好物です。まあ甘酸っぱさに七転八倒するには主人公がいささかヘタレすぎたのが残念。アイラ先輩は押すと面白いタイプだと思うんだがなあ。
って、これで大団円! なのかと思ったら、え、続くの!? しかもなんかややこしい事になってしまって……。